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2017.12.09

鯛だと思ったらナマズだった!?世界中にはびこる海産物偽装の実態

鯛だと思っていたらナマズだった!グローバルにはびこる海産物偽装の実態とは

「フイッシュ&チップス」というとイギリスのファストフードというイメージがあるが、オーストラリアではむしろソウルフードとして日常のメニューになっている。南半球だけに海産物の事情が異なるオーストラリアのフイッシュ&チップスはその食材も少し違うようである。ではいったいどんな魚がフィッシュ&チップスの食材に使われているのだろうか。

■フイッシュ&チップスの食材がアジア産ナマズ肉

 南半球のオーストラリアでは、白身魚といえば近海で獲れたマトウダイ(John Dory)がまず挙げられるという。したがって、美味しいフイッシュ&チップスの食材の筆頭にマトウダイがくるのは自然なことだ。ここ数年でメルボルンで7店舗を構えるまでに経営を拡大した人気のフィッシュ&チップス料理店「Hunky Dory」も、その店名に鯛(dory)の文字があしらわれている。この店名を掲げたレストランでフィッシュ&チップスを注文すれば、当然そのフライの白身魚は鯛であると考えるだろう。しかし同店の厨房の冷蔵庫に、マトウダイのストックはほんのわずかしかなかったというから驚きだ。

 匿名の情報提供者がこの「Hunky Dory」ポート・メルボルン店でナマズのフライをマトウダイと偽って提供しているとメディアへ密告している。しかもそのナマズは東南アジアのメコン川流域で捕獲されたものであるというのだ。もし本当だとすれば“食品偽装”ということになる。

 これを知ったポートメルボルン市当局は今年4月に同店に立ち入り検査に入った。すると店の食材のほとんどが冷凍されたナマズなどの安価な輸入魚であることが明らかになったのだ。海に囲まれ海産物に恵まれているはずのオーストラリアで、人気レストランのメニューが輸入魚まみれになっていたのである。

鯛だと思っていたらナマズだった!グローバルにはびこる海産物偽装の実態とは
The Age」より

「Hunky Dory」のある店舗では、定期的に業者から60キロから80キロという大量の冷凍ナマズ肉が搬入されており、そのほかにも25キロのサメ肉、さらにバラマンディ、ホキ、コチ、サーモンがそれぞれ4キロずつ納入された記録が残っていた。店名にある“鯛”の文字は納入記録のどこにもなかったのだ。この納入記録から、来店客のほとんどが注文する看板メニューであるフィッシュ&チップスの食材が明らかに冷凍ナマズ肉であることがわかるのである。ちなみに、ナマズ肉の小売市場価格が1キロ約420円(5豪ドル)であるのに対し、マトウダイはその10倍の1キロ4200円(50豪ドル)だ。

 これら輸入冷凍魚の発泡スチロール箱に記載されている会社名「I&J Premium」はベトナムの水産業者であるという。同社はメコン川流域で養殖されたナマズなど11種類の淡水魚を格安で全世界に販売している。

 メディアと市当局から質問を受けた同店オーナーはあくまでも“食品偽装”を否定している。同店のフイッシュ&チップスは「本日の魚料理」というおまかせの日替わりのメニューであり、魚の種類は明らかにせずに提供しているのである。つまり決して顧客を欺いているわけではないと主張しているのだ。

 とはいっても、“鯛”の名前を冠したレストランの白身魚のフライがベトナム産のナマズだとは、客の大半は想像すらしていなかったではないだろうか。しかも同店では、厨房の中でこのナマズ肉を「H-Dory」と呼び合っており、新人スタッフはしばらくの間、切り身になったこの冷凍ナマズ肉が鯛であると思い込んでいるケースもあるという。したがって事情を知らない新人スタッフは、客から何の魚だと尋ねられれば“鯛”であると答えるのだ。

 日本でも時折、寿司ネタの呼び名が適切であるのかどうかが話題になるが、今日のグローバル化された食品流通では個人の想像力を超えた食材が食卓に乗っているということでもある。健康被害がない限りはあまりセンシティブになっても仕方のないことだが、時には目の前の料理の食材がどこから来たものなのか、興味本位でそのルーツを探ってみればいろいろな気づきがもたらされるかもしれない。

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