■投資のハードルを下げる効果は高いが、資産形成効果は低い
おつりで投資、ですが、実際には「毎回のお買い物の数円をそのつど出す」わけではありません。どちらのサービスにおいても「1か月でこれくらいお釣りがでているはずだ」という金額をまとめて差し引いています。
また、金額ベースでいっても、それほど高額にはなりません。お釣りの設定をいじることができても、現実的には「1000円単位の端数」というわけにはいかず(150円のジュースを買って850円を投資するとは普通考えない)、かといって「100円単位」の端数では毎月何万円もの投資を行うことはまずないからです。
仮に一日20円の端数が出る買い物を10回したとすれば200円が投資予算となり、1カ月で約6000円です。実際には端数が大きい買い物も出るでしょうし、毎日の買い物が少ない日もあるでしょうが、毎月あたりの「おつりの合計」は1万円前後になるのではないかと思われます。
1万円だと資産形成として考えると、まず最低限スタートしておきたい金額というイメージです。私もよく月12000円(毎日スタバ一杯くらいの節約をするイメージ)を目標設定しますが、本来ならもっと上積みが必要です。
また、現行サービスでは特定のクレカや電子マネー、特定の家計簿アプリからしか「おつりの合計」が導き出せないという問題もあります。
ただし、投資のハードルを下げて、チャレンジを促す効果は大きいものがあります。「おつり程度の金額からチャレンジ」というのは心理的にもやってみようかと思わせる仕組みといえます。
投資については「最初の一歩」を踏み出すことが肝心なので、カジュアルにでもスタートしてみる、というのはおつりで投資のよいところだと思います。