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企業ニュース
2017.12.06

企業のAI活用における最大の課題は勘と経験で商売をしてきた経営者か

人工知能(以下・AI)が社会を一変させると叫ばれている昨今、日本は欧米や中国等、AI先進国に後塵を拝していると言われる。日本の企業はAIにどう取り組んでいるのだろうか。

公立はこだて未来大学の客員教授、高柳浩氏は同大の産学官連携コーディネーターとして、セミナーや講演会等で各企業のAI担当者に数多く接している。そんな高柳氏に第3次といわれるAIブームの背景、日本の企業のAIへの取り組み方。汎用AIが普及した未来社会のあり方について、虎ノ門ヒルズ内の同大サテライトオフィスで話を聞いた。

●人と機械の歩み寄り

――まず、高柳先生はAIについてどの様な定義をお持ちなのでしょうか。

「人の脳を模倣した機械と言いたいですね。ドラえもんのようなものができるのはまだ先ですから、地に足をつけ、AIのできることを考えるべきでしょう」

――今日のAIのブームの背景には、インターネットやユーチューブ等の普及で、大量のデータの収集が可能になったこと。コンピュータの性能が向上したことが指摘されます。

「昨今は人が機械に優しくなったといいますか。普及が加速している自然言語機能を用いたSiri(シリ・発話解析・認識インターフェース)や、グーグルの音声認識が広まったのはここ数年です。当初は間違いが目立ちましたが、みんなが“まっ、いいや”みたいな感じで。チャットポットがトンチンカンな答えをしても“楽しいね”と、以前と比べると人が機械に歩み寄る感じですね。

それはなぜかといえば、スマホが身近になったからではないか。ちょっと前まで、僕らは10以上の電話番号を覚えていたものでした。ところが今は電話番号なんてほとんど覚えない。スマホが人の補助記憶装置になっている。このように人間がITを日常生活の中で使いこなしています」

――普及が確実なAIも、人は使いこなしていくに違いありません。そんな近未来を目前にして、日本の企業はどのようにAIに取り組んでいるのでしょうか。

「資本主義は効率が優先されますから、『AIはこれまで集めた顧客の膨大なデータをディープラーニングで分析して、売れ筋のものを導き出してくれるらしいじゃないか。君たちの部署でAIを導入して、次に売れるものを考えてくれ』と社長の業務命令が下る。担当は社内の人間ですから、『頑張ります』とAIに取り組む。

ところがディープラーニングは100%期待する成果が出るとは限りません。データをチューニングしたり、パラメーターを調整したりするのですが、学習のさせ方がうまくいかなければ、データの中から思うような回答を導くことができない。GPUとか大型の演算装置を使ったり人件費もかかる。失敗すれば数千万円の赤字になります。1年たっても成果が出なければ、経営者としてはAIへの投資は及び腰になる。

また、データをAIが解析して、答えを導き出しても、それを経営者が信じるかどうか。アパレルの業界を例に取るなら、来年流行するカラーは“赤”だと、AIが結論を導いたとしても、その結論に対する因果関係を説明するのは極めて難しい。答えを導き出す過程はブラックボックスになってしまう。ところがカンと経験則で長年商売をしてきた経営者は、なんで“赤”なのか納得できない。過程の説明もなく、経営者がAIの答えを信用することができるのかという問題もあります」

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