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ノーベル経済学賞「ナッジ理論」は何がスゴくて、何がヤバい?

2017.12.03

■ナッジ理論のダークサイドとは

 さまざまな分野でナッジ理論の応用が期待され、社会に明るい未来が拓けていると言えるのだが、“人心操作”という点では当然ながらよからぬ意図で用いることもできる。ドイツ・ミュンヘン工科大学の博士研究員、フィリップ・ニューオール氏はイギリス国内のギャンブルでナッジ理論が“悪用”されていることを指摘している。

 ブックメーカーの存在によって、あらゆるものが賭けの対象になっているイギリスだが、ブックメーカーやギャンブル関連企業がナッジ理論を用いて収益を高めているとニューオール氏は主張している。

 賭け事の基本は“丁半”のような確率2分の1のどちらかを指定することだが、ご存知のようにこれでは勝ってもたいした金額にはならない。したがって公営ギャンブルにおいては賭け方を複雑にしてそれなりの見返りが期待できる選択肢を用意している。そしてニューオール氏は、ブックメーカーたちはナッジ理論を駆使してより魅力的に見え、しかもブックメーカー側の収益率が高い選択肢を提供していると説明している。


Behavioral Scientist」より

 例えばサッカーの試合で勝ち負けだけの賭けの場合、ブックメーカーの収益は総賭け金の平均5.7%にしかならないが、「Aチームが2-1で勝つ」というオプションではブックメーカーは平均23.4%の収益をあげられるという。

 現在イギリスでは年間160億ポンド(約2兆4000億円)以上の金額がギャンブルで失われているという。政府がギャンブル関連企業に“自由”を与えすぎていることに、もっと社会的な関心が向けられなければならないとニューオール氏は主張している。そして こうしたナッジ理論の“悪用”はギャンブルのみに留まらず、カードローンや分割払いの複雑な利率にもみられるということだ。ナッジ理論にもこうしたダークサイドがあることを知っておくべきだろう。

文/仲田しんじ

フリーライター。海外ニュースからゲーム情報、アダルトネタまで守備範囲は広い。つい放置しがちなツイッターは @nakata66shinji

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