海へと入った。やがて、遠く離れた海面下から、何か黒っぽい巨大なものが近づいてきた。生まれて初めて見た巨大な海洋生物……。あぁ、その感動は言葉などで表せないものだった。
いざジンベイザメと対面すると、批判的な感情など吹き飛んでしまう、まさに、驚異と感嘆にあふれた、感動でやまない光景だった。
3匹のジンベイザメが見えた。最初は彼らが近づいてきても、避けることに苦労していた。というのも、ジンベイザメを直接触れたら、巨額の罰金が課されるぞと、何度も何度も注意されていたからだ。 しかし、少しずつスキルが身についていった。
海中での視界があまりよくない海域であり、ジンベイザメも捕食中は主に海面直下に留まることが多いと聞き、ダイビングではなくシュノーケリングを選んだが、幸いなことに今日は視界がかなり良いようだ。 「ダイビングにしておけばよかった」と、少々物足りない気がした。でも、ライフジャケットなしでも自分の泳力に自信があるならば、自由に潜りながら、自由に見られるのが一番良い方法であることは間違いない。
数年前、海中で巨大なジンベイザメが、人に向けて口を開いている写真が、「ダイバーの危機」というタイトルで注目を集めたことがある。ジンベイザメの生態が、まだよく知られていなかった時の話だ。実はジンベイザメはその大きさ、姿に反して、エビやプランクトンなど、小さな獲物が好みだ。これをエラで漉して(こして)食べるため、常に口を開けていて、この点はヒゲクジラとも似ている。
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