
■連載/一条真人の検証日記
ヴァーチャルリアリティという言葉は最近すっかり一般的になっているが、普通のユーザーにとって、それを現実に楽しめるのはアミューズメントパークなどに限られるというのが現実だった。HTC VIVEやOcculus Riftなど、VRプラットホームは販売されていたが、本体だけでも価格が10万円近く、さらに高速なゲームPC級のパソコンと組み合わせる必要があるなど、普通のユーザーには手を出しにくいものだった。PS4+PSVRという選択でも10万円程度になり、普通のユーザーがちょっと試したいという状況ではない。
そんな感じで、熱心なゲーマーなどの興味は集めているものの、普通のユーザーにはあまりアピールしていなかったVR環境だが、最近ではその状況が変わってきた。Windowsが最近のメジャーアップデート「Windows 10 Fall Creators Update」で「Windows Mixture Reality」(WindowsMR)機能に対応したのだ。
これはWindowsプラットフームで動くVRAR機能であり、その最大の特徴は前述のVIVEのようなゲーミングPC並のパフォーマンスを要求しないところだ。その要求パフォーマンスは最新のWindowsパソコンであれば、半分程度の機種で動作してしまうという。逆に言えば、平均以上のパフォーマンスを持つ機種でしか動かないわけだが、今までと比較すれば、十分にVRARが民主化したと言えるのではないだろうか?
VRを身近なものにするMR対応ヘッドセット。写真はAcer「AH101CV」。現在、かなりの人気でアマゾンで6万円程度。
■必要なものとは?
このWindowsMR機能を使うのに必要なのは、まずはハードウェアの必要条件を満たすWindowsパソコンを持っていること。これは関連リンクのURLアドレスのサイトにアクセスし、アプリをダウンロード、インストールして実行すればいい。
ちなみに僕が日常的に使っているDELLの15インチディスプレイ搭載機「Inspiron7559」でチェックしてみると、ビデオカードのみパフォーマンス不足と認定され、一部の機能で不具合がでる可能性があると判定された。とはいえ、このビデオカードもGeForceで極端にパフォーマンス不足ということはないのではないかと思う。ちなみに、この機種は2年ほど前のライトゲーミングノートPCだ。また、他のノートPCも試してみたが、グラフィックがボトルネックとなり実行できないものがあった。デスクトップパソコンなら高性能なグラフィックカードに換装することで解決できるだろう。