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2017.11.08

中小企業が注目!地域密着の信用金庫だからできたクラウドファンディングの成功事例

■奇跡のプレス加工

この企業がMakuakeに送り出したもうひとつの製品が『KEEP SMART』だ。

これはステンレス製の名刺入れであるが、収納枚数はたったの3枚。その程度の枚数など、すぐになくなってしまう。

だが、試しにこのKEEP SMARTを財布の中に忍ばせてみよう。意外にもこの製品に助けられる場面が多いのだ。数十枚収納のいつもの名刺入れを、何かしらの都合で取り出すことができない。だが、財布ならばいつも携帯している。しかし財布の中にそのまま名刺を入れたら汚れてしまう。だからこそKEEP SMARTが役に立つ、というわけだ。

KEEP SMART本体の板厚は0.2mm、内部の仕切り板に至ってはたったの0.1mmという薄さである。0.1mmのステンレス鋼を触ったことのある人は、はたしてどれだけいるのだろうか。金型から素材を撃ち抜くプレス加工は、その金型の精度が1ミクロンずれただけで破綻する。0.1mm厚とは、驚異的な数値と形容すべきだ。

「こうした形の名刺入れが特許申請されていないか、調べてみました。すると、やっぱり存在してるんですよ」

と、塚田氏はテーブルに置かれた分厚いファイルを器用にめくる。

「ああ、これこれ。昭和51年の登録です。でもよくよく見てみると、この製品は樹脂製で厚さが0.5mm。我々の製品はステンレス鋼でしかも遥かに薄いものですから、また別の特許を取れるという判断を下しました。これは特許事務所と相談した結論です」

もしKEEP SMARTと同じものを樹脂で作ったら、確かに量産は容易だろう。しかしKEEP SMARTには、板バネのような復元性がある。これでしっかり3枚の名刺を保持することができるのだ。繰り返すが、それを可能にするためには極めて高度なプレス加工技術が求められる。

さらに付け加えるなら、0.1mmのステンレス鋼仕切り板で指を切ることはまずない。これもKey-Questと同じく、筆者が自身で確かめてみた。五指に、腕に、足に何度もこすり付けてみたが、筆者はいまだ無傷である。

■既存インフラは「時代遅れ」か?

こうした製品を世に送り出す時、中小企業は「発信力の弱さ」に突き当たってしまう。

大企業とは違い、どこに販路を求めればいいか皆目検討がつかない。だからこそクラウドファンディングという選択肢があるのだが、それを勧めたのが地元の信用金庫の営業社員ということには注目すべきである。

既存のインフラ整備は、新しいものの前には「時代遅れ」と見なされがちだ。しかし、一概にそう判断してもいいのだろうか? むしろ既存のものと新しいものを結びつければ、世界に類を見ない斬新なシステムが生まれるのではないか。

「今あるもの」に対して、我々は一考察するべきかもしれない。

【参考】
「Key-Quest」(キークエスト)ポケットにしのばせる6in1鍵型便利ツール-Makuake
デキるビジネスマンの必携アイテム 極薄スマート名刺入れ「KEEP SMART」-Makuake

取材・文/澤田真一

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