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「メイド・イン・ジャパン=高品質」はどこへ行った?日本企業も学びたいファーウェイのモノづくり

2017.10.31

 ファーウェイのもう一つの強みが、技術革新だ。ファーウェイは前年の売上の10%をR&Dに投資。18万人いる社員のうち45%がR&Dに関わり、世界16カ所のR&Dセンターを設けるなど、研究開発に非常に力を入れている。2017年9月現在、日本を含む世界15カ所にR&Dセンターを開設。今回は深センに次ぐ一大拠点で、スマートフォンと無線技術に関わる幅広い研究開発が行われている「上海R&Dセンター」を取材した。


一番長いところで全長が1100メートルもあり、ほんの数年前までは、アジアで最も横に長い建物だったという上海R&Dセンタービル。

 今回取材できたのは、新設された実験ラボだ。最初に案内された「Communication Protocol Test Lab」では通信プロトコルに関する実験を行っている。広大なフロアに無数のサーバラックがずらっと並び、まるで巨大なデータセンターのよう。サーバラック内には実験用のボックスが配置されており、その中に入れた端末から得られた実験データを、コンピュータで一元管理できる仕組みになっている。

 ここではスマートフォンの通信に関する、ありとあらゆるテストが行われており、ボックス内には世界20社以上の通信キャリアにあわせ、さまざまな周波数帯を用いたネットワーク環境が構築されているとのこと。それぞれ電波の強弱や混雑の有無など1000を超える組み合わせでネットワーク環境のシミュレーションを実施。基本の音声通話やデータ通信からVoLTE、さらにキャリアアグリゲーションなど様々な通信テストが行ない、通信面での品質強化に努めている。今回取材したエリアだけで、約200台の実験用デバイスが稼働中で、テストはデバイス1台に対して24時間×7日間、さらにもっと長期で行うこともあるという。

 次に取材した「Automated End Device Test Center」では特許取得済みの完全自動システムを用い、ロック解除からスマートフォンの各動作を自動的に行い、その振る舞いをテストしている。

 このフロア内にもサーバラックが並び、「Xbox」と呼ぶ自動試験装置が800台以上も配置されている。全て稼働させれば、同時に5000台のデバイスを試験できるそうだ。見学時にも装置内には複数のデバイスが入れられていて、ロック解除からソフトウェア、ハードウェアの動作、バッテリーの温度変化など、さまざまなテストが行われていた。


実際に端末を耳に当てた状態の模型。スマホを上下移動、または回転させて、基地局アンテナとの距離や電波の強弱、人体などの障害物やスマートフォンの角度が、音声通話の精度にどう影響するかをテストしていた。

 数え切れないほどのスマートフォンが、装置の中でそれぞれ自動的に同じ動作を繰り返している光景は、なかなかインパクトのあるものだった。Huaweiによれば、この特許取得済みの完全自動システムによって、本来なら1万人以上のテスターの作業分に相当する試験を効率的にこなすことができ、短期間に大量の検証ができるようになったという。

 今回の取材からもわかるように、ファーウェイは長期的な視野で品質向上へ向け、生産とデリバリーを厳格に管理し、製品への信頼性を高めてきた。その成果は品質への評価が厳しい日本市場での成功にも現れている。さらに、研究開発への積極的な投資を続け、製品価値を高めることも実を結んだ。世界で1000万台以上売れたSIMフリースマートフォン「P9」から始まったライカとの協業によるデュアルカメラだけでなく、先日発表された「Mate 10」では世界に先駆け、AI対応チップセットを搭載した端末を投入してきた。まだまだ日本にはMade in Chineへの偏見があるが、ファーウェイの先見性と品質管理、先を見据えた研究開発には日本企業も学ぶべきところがあるのではないだろうか。

取材・文/石崎寛明(編集部)

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