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2017.10.30

地方から世界を変える「人“高知”脳」とは?

●高知が後押しする4億7000万円

向井はさらに、高知に拠点の一つを置く有利さを続ける。

「少子高齢化が都会よりも深刻な地方都市では、お年寄りの足を確保するため自動運転の普及が望まれています。自動運転の実験をするには、マニュアル車の使用を禁止しなければならない。都会でそんな実験は不可能ですが、自動運転車に理解があり交通量が都会よりも少ない地方なら、自動運転車の実験も皆さんの理解を得やすい」

2017年8月8日、Nextremeは産業革新機構及び高知銀行を引受先とした第三者割当増資により、総額4億7000万円資金を調達したと発表した。

「外部の人たちとやり取りをして、お金を引っ張ってくる点は信頼できますね」興梠はCEOの向井をそう評するが、この融資の成功も人口減少が問題化している高知県に、対話システムという最先端技術の開発拠点を置いたことが後押ししている。雇用の創出や地域経済の活性化を期待されているのだ。

●しゃべる鎧兜

2年弱で従業員3、4人ほどから55人に急成長したのだからその間、いろんなことがあった。音声対話システムの試作に取り組みはじめた15年夏ごろだった。たまたま銀座で食事をしていた向井は、壮年の恰幅のいい紳士と知り合う。紳士はイベント関係の仕事に従事している人物で、音声対話システムの話題で会話は弾んだ。

「実は、鹿児島に鎧を製作している会社があって、イベントに時々そこの鎧を展示しているんだが向井くん、鎧をしゃべらせてみることはできないかね」

「はあ…」

向井は思わず生半可な返事をしたが内心、閃くものがあった。

鎧兜に身を包んだマネキンが、質問に応えて言葉をしゃべったらインパクトがあるぞ。特に外国人はびっくり仰天するに違いない。うちの技術を世界に向かってアピールする最高の広報部長になる。これは面白いーー。

彼は思わず胸の内で手を叩いた。

第四回へつづく

取材・文/根岸康雄

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