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2017.10.25

なぜ脳は気持ちいいことをやめられないのか?

 脳科学という言葉がいつの間にか、一般的なものになった感がある。テレビや新聞、雑誌など、あらゆるメディアで目にすることが多くなった。その背景には、研究が進んだことがあるのだろう。

 とは言うものの、脳科学と聞くとまだ、難解な印象を持つ人も多い。やはり、身近に感じられる行動などとの関係と一緒に解説してくれると、理解しやすいところ。そうしたニーズに応えた入門書的な一冊が、『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』(アスコム刊)である。

 同書は、脳のクセを分析し、どのようにすれば幸せに過ごせるのかを紹介したコミックエッセイ。原案は、テレビや雑誌でもおなじみの話題の脳科学者、中野信子さんが担当。恋愛、食欲、人間関係、などで抱える悩みに対し、脳の仕組みや機能からアドバイスを行なっている。中野さんのコラムが5本挿入されている以外はコミックで構成されているので、難しそうな内容に思えても肩肘張らずに読むことができる。まさに初心者向けのつくりなので、少しでも興味があれば、まずは手に取ってみてもいいだろう。

■脳はだまされる!?

 コミックは、様々な悩みごとや相談ごとを抱えた登場人物たちに、中野さんが脳科学の見知から原因や理由を明かし、解決法なども授けてくれるパターンで進行する。悩みや相談の内容は、身近に感じられるものであることに加え、脳と関連が感じられないものばかり。この関連が感じなれない点が脳科学の面白さだと捉えれば、同書は面白く読むことができる。

 例えば同書では、登場人物の一人が「痩せるにはどうすればいいか?」という悩みを相談している。一見すると、脳とダイエットの関連は見えないが、中野さんはひと言、「食欲をコントロールしている脳をだまし、食べたことにすることができる」。自分が食事したことをリアルに想像してみると、想像しなかった場合と比べて食べる量が20%ほど減ったという研究成果をあることを引き合いに出し、

 空腹を紛らわせると「あ! 満たされた」…と脳がだまされてくれるわけです(※66ページより抜粋)

 と説明する。ダイエットというと、ストイックに取り組み自分を追い込まないと成功しないイメージがあるが、食事したことを具体的にイメージするだけである程度の効果が見込めるとは、目から鱗が落ちる思いだ。

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