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企業ニュース
2017.10.22

ブラック企業の広報担当者見られがちな残念な行動

■連載/あるあるビジネス処方箋

 私は、年間で平均150社前後を取材する。主に新卒や中途の採用、定着、育成、評価、リストラなどがテーマだ。窓口になるのが、通常、広報である。取材テーマの内容や取材を受ける社員たちについて話し合う。

 担当者の中には、私からすると理解に苦しむ行動をとる人がいる。そのような会社をその後、観察していると、労使紛争や役員同士の激しい摩擦が週刊誌や労組の機関紙で報じられたりすることが少なくない。中には、社員の過労死を報じられた会社もある。つまりは、ブラック化しつつある会社なのだ。

 今回は、私がこの10年ほどで接した企業で、ブラック企業としてメディアで問題視された会社の広報担当者の奇妙な言動を紹介しよう。

■社長ひとりが前面に出てくる

 取材をする立場の私は、人事部の実務担当者(課長や課長補佐など)に取材を依頼する。だが、社長が登場し、答えようとする。このようなケースは、社員数300人以下で、社長が創業者である場合に多い。人事の実務担当者や広報担当者は、取材の場に同席しても、ほとんど黙っている。時々、社長の話に相槌をうつ程度だ。これは、社長が日ごろから実務担当者にきちんとした権限を与えていない場合によくみられる光景だ。権限を与えていないから、担当者は何をどのように発言していいのか、わからない。たとえわかっていても、社長に気兼ねして答えようとしない。

 このような会社は、社長のワンマン経営になっている可能性が高い。人事だけでなく、経理、総務、営業、採用など広い範囲で、社長自らが隅々まで仕切る態勢になっている。結果として、役員や管理職との間の権限と責任、役割分担があいまいになる。社長が自分中心の態勢をつくるあまり、互いの権限と責任を明確にする組織をつくることができていないのだ。

 これでは、社長へのチェック機能が十分には機能しない。社長が仮にパワハラや不正などをしていても、ほとんどの人が何も言えない。何をしても、許される状態になる。業績がダウンしても、社長自らが責任をとることなく、いきなり、社員のリストラが始まる可能性がある。これでは労使紛争になりかねず、ブラック化する可能性が高くなる。

■広報が広報として機能していない

 広報が広報として機能していない場合も、ブラック化することがある。たとえば、営業部長を取材し、記事としてまとめる。掲載する前に、事実関係の確認の意味を込めて広報に送ることがある。その際、広報が営業部長に記事を見せて、その言い分をこちらにそのまま伝えてくるときは要注意だ。

 たとえば、営業部長が取材時には話していないようなことを数百字以上、「補筆」として書き加えてある。営業部長としては「事実」であったとしても、事実とは言えないことがある。取材のときに話していないことを次々と書き加えることは、掲載する側からすると、危険が伴う。記事を掲載した後、内容などの責任は通常、掲載した側にある。

 広報であるならば、ここまでのことを心得て、こちらと話し合いができないといけない。状況いかんでは、営業部長が書き加えたことを全部、削除することもある。通常、新聞記事はおおむね、このようにつくられている。ところが、私がこういう事情を広報に伝えると、「営業部長が書き加えたから、原稿をそのまま掲載してもらわないと困る」と主張する担当者がいる。

 私の観察では、このような会社は、得てして広報や営業などの役割分担や、それにともなう権限と責任があいまいになっている。何かの問題が生じたときも、結局は誰も責任をとらない傾向がある。これでは、自浄作用が働いているとは言えず、やがてはブラック化する恐れがある。

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