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2017.09.29

ラベンダーの街・上富良野で七輪が売れまくっている理由

 北海道上富良野町といえばラベンダー畑が有名だ。季節になれば、色とりどりの花が大地を彩り、見る人の心をなごませる。町を訪れる観光客数は年間100万人を超える(2016年度)ほどだ。

 そんな町が一面の銀世界となったある冬の日。筆者の目をくぎ付けにしたのは、町内のホームセンター入口付近に山積みになっていた大量の七輪だった。

 はてさて、この地域は石油でガンガン暖房を入れているはずなのに、なぜこんなに七輪が大量に売っているのか。まさかこれで暖を取るわけでもあるまいに……。

 不思議に思い店の方に聞くと、驚愕の答が返ってきた。

■上富良野は養豚が盛ん

「あれは焼肉用ですよ。サガリを焼くんです。このあたりじゃどこの家庭にもありますよ」

 サガリとは1頭からわずかしかとれない、内臓肉(横隔膜)のことである。一般的に牛を想像する人が多いが、上富良野では豚のことを指す。なぜなら、ここは約3000頭の母豚を飼育し、年間約6万頭にもおよぶ肉豚を出荷する道内で3番目、上川管内ではもっとも出荷頭数の多い養豚の町だからだ。

 町内には豚の解体・加工処理を行う「かみふらの工房」(プリマハム関連会社=年間生産能力9200トン)もあることから、繁殖から肥育、と畜、精肉商品化までの一貫生産体制が整っている。

 また、サガリは通常の肉に比べると鮮度が落ちやすく、昔から流通に乗せる前に地元で消費してきた歴史もある。とはいえ、無理に食べていたわけじゃない。町内で全て処理されているので鮮度が高く臭みもなし。ほどほどな弾力と濃厚な味わいがあるので病みつきになる。かくして、上富良野町で焼肉といえばサガリを指すようになり、町民がもっとも愛する焼肉となったわけだ。

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