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2017.09.20

外国語をマスターすることで得られる特殊な能力とは?

 英語に限らず、外国語をマスターすることでいくつもの実利が得られるが、単なる“スキル”という以上の特別な能力も獲得できそうであることが、最近の研究で指摘されている。

■「トロッコ問題」で“殺人”を犯しやすくなる条件とは?

 かつて話題になったテレビ番組「ハーバード白熱教室」(NHK)でマイケル・サンデル教授が取りあげた議題のひとつに「トロッコ問題」がある。「トロッコ問題」の細かい状況設定はいくつかのバリエーションがあるが自分が傍観者であるケースでは、このまま何もしなければトロッコに轢かれて5人の命が失われる状況の中で意図的に1人の命を犠牲にして5人を助けるかどうかを問うものである。

 もちろん人として殺人を犯してはならないが、みすみす5人の命が失われるのを黙って見るのも後々まで罪悪感が続くトラウマになるかもしれない。そしてこの1人が“太った男性”で、5人は女性と子どもたちであったりするなどして、考えを迷わせる演出もいくつかある。

 決断に迷うところだが、自分が傍観者の場合は手をこまねいているうちに5人が轢かれてしまうケースが多くなるかもしれない。“教室”でも実際に5人を見殺しにすることを選ぶほうが多数派であった。しかし興味深いことに、1人を犠牲にする行為に出る確率がきわめて高まる条件があるという。それは当人にとってこの時の状況が外国語を話す環境であった場合だ。

 2014年にシカゴ大学とスペインのポンペウ・ファブラ大学の合同研究チームによって、外国語を話す条件下において「トロッコ問題」では母国語の環境下であるよりもはるかに高い確率で1人を犠牲にする“殺人”を行なうことが確認されている。そして今回、シカゴ大学の研究チームはこの問題をさらに深く掘り下げている。


UChicago News」より

 先ごろ「Psychological Science」で発表された研究では、外国語によるコミュニケーションがどのように意思決定から“感情”を取り除いているのかが検証されている。

 一連の実験を通じて、外国語を話す条件下では多くの人命を助けることにおいて“殺人”を犯す感情的嫌悪感が弱まり、刷り込まれたタブーが破られ得ることを示唆している。つまり外国語を話す状態では感情を排した、ある意味でドライで合理的な判断を下しやすくなるということだ。逆に言えば、もし慎重に考えてみたい問題や案件があった場合、故意に外国語で考えてみることで冷静になれてより合理的な判断ができることにもなる。

 研究チームは今後さらに現実の社会生活において、外国語を使うことが意思決定にどのような影響を与えているのかを探る取り組みに着手するということだ。例えばカルテなどを外国語で書き記す医師は多いが、やはりこれは冷静な判断に繋がる職業的経験知であるのかもしれない。

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