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高いワインは「高い」から美味しいのか?

2017.09.08

 昨今は輸入ワインのラインナップがかつてないほど充実していることもあり、特にチリ産やアルゼンチン産などの1000円前後のボトルでも侮れないテイストのワインに出会える機会が増えている。これらの安価で美味しいワインは飲食店で倍、いや3倍の価格で提供しても気づかれないかもしれない。では実際に3倍の価格で出したらどうなるのか? なんとワインがさらに美味しく感じられるというから興味深い。

■高いワインは美味しい!?

 アルコールはどの文化圏でもわりと細かいグレードに分けられている。グレードの高いお酒は原材料の品質や製造工程が少し違っていたりするのは理解できるにしても、それは価格差ほどのものなのだろうか? こうした疑問は実は愚問のようで、その価格差こそがお酒の味を引き上げているという説がある。つまり高いお酒は高いからこそ美味しく感じられるのだ。

 これはマーケティングプラセボ効果(marketing placebo effect)と呼ばれ、高価な製品には期待が高まり、そして実際に良いものに感じやすいという効果である。このマーケティングプラセボ効果がどれほどのものなのかを探るため、ワインを使った興味深い実験が行なわれている。

 ドイツ・ボン大学の研究チームは、実験参加者30人(男性15人、女性15人。平均年齢30歳)にワインのテイスティングをしてもらう実験を行なった。テイスティングというからには、次々といろんなワインを味わって評価してもらう手筈になるのだが、実は使われたワインは1種類のみで、もちろんそれは参加者には知らせていない。


New York Post」より

 美味しさには定評のある定番的な12ユーロ(約1500円)の赤ワインを使い、提供する毎にランダムに値札をつけて(380円、770円、2300円)試飲させ、それぞれの味を評価してもらったのだ。そして試飲の際には、参加者の脳活動の動きをMRIスキャナーでモニターし記録した。

 マーケティングプラセボ効果はやはりかなりの効力を発揮しており、中身は同じワインでありながらも高い値札のついたワインは評価が高く、低い値札のワインは評価が低いという結果になった。

 そしてテイスティング中には脳活動の動きにも変化があったのだ。高価な値札のワインを試飲する際には脳の内側前頭前皮質(medial pre-frontal cortex)と腹側線条体(ventral striatum)に活発な動きが見られることがわかった。脳のこの部分はいわゆる“報酬系”とよばれる役割を担っていると考えられている。つまり価格の高いワインを見た時、脳はそれが価値の高いものであると評価し、飲むことを促すのである。脳から強く動機づけられて飲むことでより美味しく感じられると説明できるのだ。

 我々はいとも簡単に“値札”にダマされてしまう存在であることをこの機会に再確認しておいて損はないだろう。

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