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テニスが心と体に与える4つの好影響

2017.09.05

■ジュニア選手は身体の成熟度にあわせて養成すべき

 ジュニア選手の話題も出たが、テニスにまつわる最新情報としては、未来のチャンピオンを探す科学的手法が本格的に取り入れられようとしている。ジュニア選手の育成にはもはや年齢は関係ないというのである。

 イギリス・バース大学の研究は、育成中のジュニア選手のグループ分けは、年齢ではなく身体の成熟度によって行なうべきだと指摘している。そのほうが各人の身体的条件に見合った練習プログラムを与えることができ、才能の発掘に有利であるということだ。

 どのスポーツでも、ジュニア選手を対象に才能の発掘が行なわれているが、その際に目立つのが身体的に早熟な選手たちである。背が高く、敏捷性に優れ、大きくて力強い早熟の選手が試合においてきわめて有利であることは明白で、テニスでもジュニア期において身長が1インチ高いと、サービスのスピードが5%あがるといわれている。晩熟型の選手はこの時点でその才能を見落とされてしまうケースが少なくないということだ。

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Australian Herald」より

 イギリスのテニス組織「Lawn Tennis Association」はバース大学の科学者と協働して新たな統計学的手法でジュニア選手の選抜に取り組んでいる。それはジュニア選手の年齢は一度無視して、各人の身体的成熟度を正確に計測してクラス分けをするバイオ・バンディング(bio-banding)と呼ばれる統計学的手法である。

 選手を成熟度別に扱うことでそれぞれに適切なトレーニングプログラムを与えることができ、早熟の選手にも晩熟の選手にもメリットを生むものになるという。得てして早熟型の選手は、そのサービスの速さから同世代の中で“ビッグサーバー”として頭角をあらわしてくるが、そのことが早熟型選手をパワー重視のテニスに導き、細かい技術を深めていくトレーニングがおろそかになりがちだという。そしてジュニア時代はパワーで押し切れたテニスが、成人を迎えて行き詰まるケースが多いという。しかしバイオ・バンディングによって早熟型の選手にこの傾向を早く気づかせることができるのだ。

 そして一方の晩熟型選手には技術面の習得に専念させることで、身体の成長に併せて徐々にゆっくりと力量を向上させることができる。お互いに本当の勝負が決してジュニア時代にあるのではなく、大人になってからであると意識させることもできる。

 イギリスのサッカー・プレミアリーグの選手養成機関「Premier League football academies」では、一足先にこのバイオ・バンディングが採用され実績を積んでいるということだ。またバース大学の研究者はこのバイオ・バンディングをサッカーやテニスだけでなく、ラグビーやダンスなどにも適用させることを考えているという。ということは、今後は科学的に発掘、育成された大器晩成型の選手がますます活躍する時代になっていきそうだ。社会の高齢化が進む中にもあって、いろんな意味で「急いては事を仕損じる」時代になったのかもしれない。

文/仲田しんじ

フリーライター。海外ニュースからゲーム情報、アダルトネタまで守備範囲は広い。つい放置しがちなツイッターは @nakata66shinji

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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