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パスワードいらずの本人確認システム「歩き方認証」って何?

2017.09.03

■歩きスマホでは“忍び足”になっている

 歩行者の話題ともなれば、ますます問題が深刻化している歩きスマホの件も外せないだろう。

 鉄道各種や行政による歩きスマホ啓発キャンペーンが定期的に行なわれているものの、歩きスマホに関連した事故はいっこうに減る気配を見せない。東京消防庁管内では昨年、歩きスマホ等にかかわる事故により50人が救急搬送されており、過去5年間で最多を記録している。減るどころか事故が増えているのである。

 歩きスマホがどれほど歩き方に影響を及ぼして危険を招いているのか、イギリスのアングリア・ラスキン大学の研究チームが、歩行者の視線の先を追跡するアイ・トラッカー装置と身体の動きを分析するセンサーを用いて、21人のさまざまな条件下での歩行を記録して分析している。

 参加者は5.6mの距離を1往復半、それぞれ手に何も持たない状態、スマホでテキストメッセージを作成しながらの状態、テキストメッセージを読んでいる状態、通話している状態で歩き、その視線と身体の動きが詳細に記録された。参加者が歩行する場所には現実の街中を想定したサインボードなどいくつかの障害物が設置されている。


The Guardian」より

 分析の結果、スマホを使用することで、路面の高さの変化を頻繁にチェックしなくなり、慎重な足取りに変化していることがわかった。つまり歩きスマホでは路面や周囲をあまり見ていないかわりに“忍び足”になっているのだ。これが最も顕著にあらわれるのが、テキストメッセージを入力する歩きスマホであった。

 手に何も持っていない歩行を各人の基準として、テキスト入力中の歩きスマホでは、前足も後足も接地がつま先側になり、歩幅が38%短くなっていた。そして前足を18%高く上げるようになり、歩行動作がゆっくりになっているのだ。まさに“抜き足、差し足、忍び足”である。

 歩きスマホの際には、意識しなくとも歩き方が“忍び足モード”になっているというのは、ある意味で人体の環境適応能力の優秀さをあらわすものでもあるが、逆に言えば歩きスマホは歩き方を変化させるほど脳機能のリソースを使っていることになり、危険を察知する能力が大幅に失われていることでもある。サイエンス的にも危険であることが当然の歩きスマホは厳に慎まなければならない。

文/仲田しんじ

フリーライター。海外ニュースからゲーム情報、アダルトネタまで守備範囲は広い。つい放置しがちなツイッターは @nakata66shinji

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