
カレーと言えばラーメンと並ぶ日本の国民食だが、そこでイメージされるのはイギリスより伝来し、日本風にアレンジされた欧風カレーであろう。
だがしかし、やはりカレーはインドである!
HIPHOPならアフリカ・バンバータ(※)やクール・ハーク(※)、あるいはそれ以前のR&Bやファンク・ミュージックに触れなければ真の魅力が分かり得ないのと同じく、原点であるインドカレーに対して敬意を払わずしてカレーを語ることはできない。
多くの日本人が愛してやまないカレー。もちろんアナタも好きだろう。
そんなアナタが今後自信を持って「カレーが好きだ」と言えるように、今回はスパイスからカレーを作る様子をお届けしようと思う。
突き詰めると奥深いものの、実はカンタンに作れちゃったりもするので、ぜひチャレンジしてみて欲しい。
(※=HIPHOPの創始者と言われる人物。アフリカ・バンバータ、クール・ハークにグランドマスター・フラッシュを加えた3人は、HIPHOP黎明期の3大DJとして現在も多くのヘッズたちにリスペクトされている)
■初心者はカレー粉から
スパイスからカレーを作ってみようと思い、「スパイス」「カレー」「作り方」などのワードで検索をかけてみる。すると、膨大なスパイスの名前が出てくると思う。「クミン」「カルダモン」「ターメリック」「コリアンダー」etc…。
得意料理がカップラーメンという筆者のような人間からしてみたら、声を大にして言わしてもらいたい。「なんじゃそりゃ!」と。
こんなんほとんど聞いたことないし、買い揃えるの大変だし、分量とか計るのも面倒臭い。そもそもカルダモンって何味やねん!
というワケで、ここでいきなり挫折する人が多いのではないかと思う。
このスパイスの配合で独自の、いわゆる「家庭の味」みたいなものを生み出すことこそ、確かにインドカレーの醍醐味ではあるのだが、カルダモンが何味か分からん、というよりカルダモンが何味とかピントのズレたことを言っている筆者のような人間に、配合の面白さを感じられるはずもない。
そこでだ。
最初ですから、ここの手順は簡略化してしまいましょう。
ぼくらインスタント世代のための救世主がいる。
カレー粉である。
前述の海のものとも山のものともつかない大量のスパイスを、すでに調合してくれている優れものだ。この「カレー粉」という商品はイギリスで生まれたそうなので原点を知るという観点からすると本末転倒感が出てくるが、インドで言うところの「ガラムマサラ(多数のスパイスを調合したミックススパイス)」の缶詰だと思えば問題もなかろう。
なので、まずはこの「カレー粉」を入手して欲しい。これさえ入れておけば、とりあえず「カレー」にはなる。