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2017.08.16

会社員が誤解しがちなフリーランスの働き方と実情

■連載/あるあるビジネス処方箋

 1か月ほど前、人事雑誌の企画「フリーランス」についての記事を数本書いた。担当編集者やその上司である部長や、取材相手の10人前後は全員が会社員だった。フリーランスである私は、この12人ほどがフリーランスのことを誤解しているように思った。それは、「不勉強」といえるのかもしれない。フリーランスがあたかも「自由気ままな身」であり、「経験や才能で生きる自由業」ととらえているようだった。それに近いことを語る人が、12人のうち、10人近かった。今回は、会社員が陥るかもしれないこの大きな誤解について、私の考えを紹介したい。

■フリーランスの生活は厳しい

 私が彼らの回答で最も驚いたには、フリーランスを「自由の象徴」としてとらえていることだった。会社員たちは、取材時にこんな意味合いのことを語っていた。「フリーランスは会社に行くこともなく、場所も時間も自分の判断で決めることができる。仕事の内容や取引先なども、自らの意志で選ぶ」。

 フリーランスを12年間している私は、言葉を失った。フリーランスのことをあまりにも知らなさすぎるからだ。厳しい現実を知らなさすぎる。確かに、ある調査の結果を見ると、フリーランスの人は「仕事をする場所や時間の自由度がある」「自分の好きな仕事ができる」といったことを大きな理由にして会社などを離れ、生きていることがわかっている。この調査は、中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編」(2015年)を意味する。

 しかし、これは、「調査に答えた人の数を集計した結果」である。そのことは、「仕事(取引先)を選ぶことができる」人の数を意味するものではない。そもそも、果たして「仕事(取引先)を選ぶことができる」人は、フリーランスの中でいったいどのくらいの数であるのか、それは本当に「選んだ」とまで言い切れるのかどうか。実は、そんな調査は、私が調べつくしてもない。おそらく、今回、私が接した会社員や編集者もまず知らないはずだ。それでもなおも、フリーランスを「自由の象徴」とみる。

■年収300万円以下を抜け出すことは難しい

 私の経験でいえば、仕事を本当に自分の意志で選ぶためには、フリーランスとして年収が少なくとも600万円(月に額面で50万円)を超えないと、しかも、その状態が丸2年間ほどは継続しないと難しい。600万円以下のレベルの人は、仕事を「選ぶ」レベルの実力や実績、キャリアはあまりないはずなのだ。私は、この12年間でフリーのライターやデザイナー、カメラマン、編集者などを70~80人以上と接点があるが、600万円以上の収入を3年以上継続している人は5~6人しかいないと思われる。おそらく、平均年収は300万円前後のはずなのだ。

 実は、年収300万円が日本のフリーランスの平均年収の1つのモデルになるものだ。前述の中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編」(2015年)では、調査対象のフリーランスの6割が「年収は300万円以下」と答えている。預貯金は、6割が「300万円以下」と回答する。しかも、「直近3年で、売上が横ばい」と答えたのは5割、「売上が減った」という回答は3割。あわせて、8割が「横ばい・減った」となっている。

 ここからは私の考えだが、売上がこれほどに伸び悩むのだから、多くのフリーランスは年収300万円以下を抜け出すことをできていないはずなのだ。この収入では、首都圏で家族を養って生きていくことは、生活上の相当な工夫をしない限り、難しい。だからこそ、アルバイトなどをして本業の収入を補っている人がいる。それでもなおも収入が足りない場合があり、次々と廃業し、会社員に戻っているのだ。これが、知られざるフリーランスの1つの断面である。

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