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豪華クルーズトレイン「四季島」に採用された国産じゅうたん「山形緞通」とは?

2017.08.21

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

 山形県山辺町にある1935年 (昭和10年)創業のオリエンタルカーペットは、日本で最初にウールのじゅうたんを作り、糸作りから染色、織り、加工、アフターケアまで一貫した製造管理を手がける国内唯一のじゅうたんメーカー。同社が2013年にエイトブランディングデザイン代表の西澤 明洋氏と共に立ち上げたのが、ホームユースブランドの「山形緞通」だ。

 JR東日本が今年5月から運航を開始したクルーズトレイン「トランスイート四季島」では山形緞通のじゅうたんが採用され、デラックススイート、スイートには車両デザインを手がけた奥山 清行氏デザインの「UMI」、自然光を取り入れた大きな窓が特徴の展望車では世界的建築家である隈 研吾氏デザインの「KOKE」、ラウンジ「こもれび」には奥山氏デザインの新作「KOMOREBI」と、全10両のうち食堂車を除いた9両すべてに山形緞通のじゅうたんが敷かれている。

◆昭和21年ごろに制作されたじゅうたんが今でも現役で使われている

 山辺町にあるオリエンタルカーペットの工場を訪ねた。昭和24年に建てられた建物は3階建ての事務所を中心に放射線状にレイアウトされており、さくら色を配した建物はやわらかい印象で、昭和初期の校舎のようなレトロな雰囲気を残す。当時、3階建ては非常に珍しかったそうで、最上階からは蔵王連峰が見渡せる。

 窓が多いのは糸の色を確認できるように光を多く入れるためだが、女性の職場であるという理由もある。山辺町は山辺木綿で知られた染織の町だったが、昭和初期、冷害凶作による大不況で子女が身売りされるほど事態が深刻化。この状況を憂いた創業者の渡辺 順之助は女性の働く職場が必要だと考え、「裕福な人が使うじゅうたんならば、景気の波に左右されないのでは」と高級じゅうたんを作っていた中国から技術者を招いたのが始まり。中国人技術者から技術を習得した伝習生が地元の女性織り手を育成し、現在でも織り手の職人は全員が女性だ。

 戦時中は海軍より造船に際して注文を受け、戦艦「大和」「武蔵」の長官室にじゅうたんを納入。昭和16年ごろのデザインで、現在も「長官寝室ドアマット」として同じデザインの製品(19万9800円・税込)を販売している。

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