「私が出ていくことになったら、もう一生この子と会えなくなる。だったら一緒に引っ越ししよう!」
Nさんは再会したこの子と離れたく無かったと言います。生まれた時から野良猫だったせっちゃんを保護することに当然不安はありましたが、「絶対大丈夫!」という強い意志で一緒に暮らすことを決めたのです。
そこからの行動はNさん曰く「鬼のように素早かった(笑)」とか。夢中でペット可マンションを探し、奇跡のような早さで理想の部屋とご対面。あれよあれよという間に、せっちゃんとの2人暮らしが始まりました。
保護した当時、せっちゃんは3歳ぐらい。それまで人間と暮らしたことがなかったためか、せっちゃんにも戸惑いが。
「最初はどう接していいのかわからなかったと思います。部屋に三段ケージを用意して、半年くらいはその中で過ごしてもらいました。逃げたいとか嫌がる素振りは全くなかったんですが、手を出すと本気で引っかいたり噛んできたりして、全く触らせてくれませんでした」
はじめは警戒心が強いせっちゃんでしたが、徐々にケージ生活にも慣れてきた頃、事件が起きました。Nさんがケージ越しに少しでも触れ合おうと顔を近づけた瞬間、えぐれるくらいザックリと瞼を引っかかれてしまったのです。
「あの時、せっちゃんは攻撃してきたのではなく甘えてきたんだと思います。加減も甘え方もわからないから、つい引っかいてしまったんだと…」
「というのも、出血が止まらない私を見て、せっちゃんはとても傷ついているような申し訳なさそうな顔をしていました。あの時の表情は今でも覚えています」
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