
仕事中、忙しいときなどはどうしても笑顔をつくる余裕がないことがある。そこで激務の最中でも笑顔をつくるにはどうすればいいかのコツを、スマイルサイエンス学会代表理事の菅原 徹さんに聞いた。
■激務でも笑顔をつくるコツ~2ステップ
●顔のパーツをクシャと中心に寄せてみる
「忙しいときは、脳の活動もバランスを欠いて表情筋が硬直し、“顔ナシ”のようになってしまいます。どうしても心地いい笑顔をつくる心理的な余裕がなくなりますね。
そんなときは、はじめから笑顔をつくろうと意識するのではなく、表情筋を使って顔のパーツをクシャと中心に寄せてみてください。表情筋と意欲を司る脳の『A10神経群』は密接に関係しているので、フリーズした脳を再起動させて、心理的な余裕をつくってくれます」
●「ウンパニ体操」をする
「顔のパーツを中心に寄せた後は、休憩時間にでも『ウンパニ体操』という、表情筋の体操を試してみてください。『ウ~』と発声して口をとがらせ、つぎに『ン~』と顔を中央に寄せる。そして『パッ』と顔の緊張を一気に解放する、最後に『ニ』と口角を上げて笑顔をつくってみる。これを10回繰り返して、笑顔の身体的な記憶を呼び起こしてみましょう」
■「笑顔」と「愛想笑い」は違う
しかし、ビジネスの場では必ずしも笑っていればいいというわけではない。笑顔で失敗しているケースもあるという。
「ヘラヘラとした愛想笑いは必ずしも好印象を与えません。『笑顔』と『笑い』は異なります。笑顔は意思であり技術で、作法でもあります。“伝えたい情報に添える”のが笑顔、“伝わってくる情報を防御する”のが愛想笑いです。笑顔と笑いを混同して、愛想笑いばかりしていると防戦一方で、心理的に他者にコントロールされてしまいます。コミュニケーションがとれている場合は、真顔と笑顔を交わして、時折自然な笑いが起こるものです。ビジネスで失敗している人は、笑顔の認識を間違って、笑顔を効果的に使えておらず、受け身になっているケースが多いです」