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2017.07.10

上司が部下に道徳論を持ち出す時の真意

■連載/あるあるビジネス処方箋

 上司が部下に道徳を持ち出すことがある。例えば、「上司に口ごたえをするのか!」「そんな物言いが許されるわけがないだろう!」といったものだ。

 確かに、部下が上司に対し、一定の配慮をした発言はするべきではある。もろろん、道徳は大切なものでもある。しかし、あえて口にすることだろうか。しかも、この場合の道徳の定義や意味は、極めてあいまいであり、上司のその時の気分で変わることすらある。その意味で、部下からすると、道徳は厄介なものなのだ。

 今回は、上司が道徳を持ち出す真意を、私のこれまでの取材で感じ取っていることをもとに考えたい。

 

■罪の意識を強要する

 道徳を持ち出すことは、相手に罪の意識を強要することである。ある程度の常識や教養を心得ている人ならば面と向かい、反論ができないはずだ。さすがに「上司に逆らって、何が悪い?」とは言えないだろう。道徳は、ほとんどの人が心得ているからこそ、意味がある。相手に意見や反論をさせないような武器にもなる。道徳を持ち出す側はここにこそ、真の狙いがある。

■問題点をあいまいにする

 つまり、問題点をあいまいにすることができうるのだ。プロジェクトを数人で行い、上司の判断ミスで大きな被害を出したとする。このとき、本来はこう考えるべきだ。「なぜ、こんなことになったのか」「上司の判断のどこがどのように誤りであったのか」「再発を防ぐためには、どうすればいいのか」…。

 事実に基づいて深く議論し合うプロセスで、上司は自らの非を認めざるを得ない。部下たちに説明も釈明もしないといけない。だが、 「上司に口ごたえをするのか!」と道徳という名の脅しをすれば、部下たちはひるむ。これが、狙いなのだ。

■権威を保つ

 問題点をあいまいにすることは、上司が自らのメンツや威信、名誉などを守ることを意味する。「自分は正しかった。トラブルになったのは、偶然だ。たまたまのことだ」と部下たちに思わせることができる。これもまた、狙いの1つといえる。

 上司は会社員であり、創業経営者や大株主でもない。部下を持つ身とはいえ、組織の歯車であり、強い権限を持つわけでもない。部下から軽く見られたくない、と常に防衛本能をもっている。だからこそ、自分が不利になると、道徳を持ち出す。道徳を語るときは、それは苦しさの表れでもあるのだ。

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