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企業ニュース
2017.07.04

仕事で燃え尽きないために知っておきたい職場のサイエンス

“職場うつ”の問題が深刻だ。職場うつの本人も大変だが、現場の生産性にも多大な悪影響を及ぼし、GDPの1%が職場うつによる生産性の低下で失われているという。

■“職場うつ”でGDPの1.2%が失われている

 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル(LSE)の研究者が昨年9月に発表した研究では、ブラジル、カナダ、中国、日本、韓国、メキシコ、南アフリカ、アメリカの8各国、計8000人の勤労者を調査・分析している。ヨーロッパ以外の国々で労働環境に関してこれほど大規模な国際的調査が行なわれたのは初めてのことだ。

 各国でビジネスの風土は異なるものの、職場うつの問題は共通してビジネスの現場に暗い影を落としていることがわかり、あらためて職場うつの問題の深刻さが指摘されている。職場うつによる経済的損失は8カ国でGDPの平均1.2%にも及び、金額にして27兆円という膨大な金額にのぼる。

 勤労者が心身の不調で欠勤することをアブセンティズム(Absenteeism)と呼んでいるが、この一方、出勤しているのに心身の不調により生産性が低下してしまう状態のことをプレゼンティズム(Presenteeism)と呼び、近年ではこのプレゼンティズムのほうが組織の生産性を下げるものであることが指摘されている。つまり出勤はするものの大した仕事ができずに“休むに似たり”になっている勤務状態だ。


The London School of Economics and Political Science」より

 職場うつの人々は定期的に病院に行くため午後から出勤するケースも考えられ、これがプレゼンティズムに繋がるわけだが、日本では完全に欠勤するアブセンティズムが多いことがこの調査でわかっている。その年間コストは1人あたり約30万円にも及ぶ。この特有の現象は日本においては職場うつに罹っていること自体を隠している人が多いからだといわれている。つまり失職を怖れてうつを公表しない勤労者が多いのだ。

 逆にアメリカとブラジルではプレゼンティズムによる損失コストが大きい。休まず出勤はするもののダラダラ働いている者が多いということだろう。

 そしてまた日本の労働環境の特徴として、職場うつによる個人あたりの損失が大きいことも挙げられる。これはつまり、バリバリと精力的かつ長時間働く有能な人物がある日うつになるケースが多いということで、職場にとってもダメージが大きいのだ。いわゆる“燃え尽き症候群”が多いのである。

 日本の会社組織には、“モーレツ員”にどんどん仕事をさせて収益をあげる一方で、突然の“燃え尽き”で多大なダメージを被るという、組織も社員も不幸になる傾向が他の国の組織よりもあることを今一度確認しておきたい。

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