小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

なぜ会社を辞める人は、事実を歪曲して捉えようとするのか?

2017.06.25

■連載/あるあるビジネス処方箋

 

 今年の5月、私が4年前に取材で知り合った女性が会社を退職した。新卒で入り、29歳で辞めたことになる。

 上司の、30代後半の女性と仕事の進め方などをめぐり、数年前から対立することがあった。そして、1年半ほど前から職場で孤立し、話をする人もいなかった。この女性と2週間ほど前に会い、退職に至るまでのプロセスを聞いた。その多くは、私には事実ではなく、事実を歪曲したものにしか思えなかった。

 今回は、この女性に限らず、事実を事実として受け入れないことの問題点を考えてみたい。

■事実を歪曲している

 この女性が上司である女性からバカにされ、職場で孤立し、辞めていかざるを得なくなったのは事実である。問題は、ここからだ。会社員の特に30代後半までくらいの人を取材していると、この事実を間違って解釈している人が目立つ。10人のうち、9人が事実を歪曲して受け入れているように私には思う。

 今回のケースでいえば、「女性は直属上司の女性から認められなかった」ということだけが事実なのだ。それ以上でも、それ以下でもない。ところが、周囲の社員の中には、そこから「女性は、仕事の能力が低い」となり、ついには「会社員に向いていない」とレッテルをはる人までもが現れる。

 本来は、ここまで言い切る根拠は、現時点ではないはずだ。しかし、多くの人がこのように歪曲していることも事実だ。残念なことに、本人(女性)もが、「私は会社員には向いていない」と事実をねじまげてしまっている。

■自分が不利になるように仕向けていく

 事実をねじまげて受け入れると、大きな損をしてしまうことがある。たとえば、「私は会社員には向いていない」と言い切ることができないのに、そう思い込む。ほかの会社へ転職して移ろうとも、うまくいかないことがあると、「やはり、会社員に向いていない」と考える。

 ここでも、実は根拠があいまいだ。しかし、そのことに気がつかない。「たまたま、めぐり合わせで上司とうまくいかなった」可能性もある。そこまで広い視野で考えようとしない。自分で自分が不利になるように仕向けていくのだ。

■誤った解釈を拡大させていく

 事実を歪曲し、受け入れる人が陥りやすいのは、新たな問題を見つけ出すことだ。

「私は会社員には向いていない」から、今度は「私は、仕事ができない」「人間関係処理能力が低い」などと飛躍させる。これらもまた、明確な根拠がない場合も多々ある。

 ところが、自分でどんどんと誤った解釈を拡大させていき、止まらない人もいる。最後には、「私はダメな人なのだ」と自暴自棄になる。しかし、冷静に考えると、そこまで言い切ることはやはり、できない。はっきりと言えるのは、「上司からバカにされ、職場で孤立し、辞めていかざるを得なくなった」だけなのだ。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。