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2017.05.28

空前のレモンサワーブームを支える「わ・る・な・ら・ハイサワー♪」誕生秘話

■連載/新しいロングセラー

 昭和晩期から平成にかけて販売された、“新しいロングセラー”商品に注目するこの連載。今回はレモンサワーブームの火付け元といって過言ではない、博水社の「ハイサワー」をご紹介する。

■ジャパニーズカクテルの相方「ハイサワー」の誕生

 今年、2017年は空前のレモンサワーブームが到来している。人気の全国居酒屋チェーン「宮崎県日南市 塚田農場」「鹿児島県霧島市 塚田農場」では、洋酒のジンに大ぶりにカットしたレモンをたっぷり入れた「極レモンサワー」が人気で、1店舗あたり平均1日約30杯、全店で約4000杯も飲まれることがあるという。実は、この極レモンサワーの割り材として使われているのが「ハイサワー レモン」だ。

「ハイサワー」といえば、焼酎を割る炭酸飲料として、お酒を飲む人にはよく知られた存在だ。ハイサワーで割ったお酒を飲んだことがなくても、「わ・る・な・ら・ハイサワー」のCMを覚えている人は多いだろう。ハイサワーは、東京・武蔵小山駅近くの住宅街に本社を構える博水社が、1980年、日本で初めてレモンサワーを作る焼酎用の割り材として開発。以後37年間に渡り販売しているロングセラー商品だ。

 今ではお酒の割り材として定着しているハイサワーだが、その誕生にはやはり紆余曲折があった。博水社は、現社長である田中秀子氏の祖父、田中武雄氏が田中武雄商店として1928年に創業。ラムネやみかんジュース、サイダーなどを製造していた清涼飲料水メーカーだ。しかし、武雄氏が急逝したことで、現会長である田中専一氏が若干24歳で社長に。清涼飲料水を「広く世に知らしめるように」との思いから「博水社」を目黒で再開する。現在、工場や倉庫はアウトソーシングされているが、当時は現在本社がある場所に工場を構え、秀子社長も学校が終わるとラムネの封印ラベルを貼る作業の手伝いをしたそうだ。


博水社 代表取締役社長 田中秀子氏。1960年生まれ。山脇学園短期大学 英文科卒業後、博水社に入社。入社後、働きながら東京農業大学の醸造科に3年間通い、食品醸造や食品分析の基礎を学ぶ。2003年に「ダイエットハイサワーレモン」「同 グレープフルーツ」、2006年に「ハイサワーハイッピー レモンビアテイスト」「同 ビアテイスト」を発売し、商品開発を手掛ける。2008年に社長就任。

 しかし、街の小さなラムネ工場では、お祭りがない冬になると作るものがない。大手飲料メーカーですら売上が落ちる冬。工場で働く工員のためにも、冬に売れるものを作りたいという積年の思いが専一氏にはあった。そのためビアテイスト飲料の開発にチャレンジする。今でいうノンアルコールビールだ。

 專一氏の目の付け所は良かったが、「お酒を発酵する経験もないラムネ屋が、ビールっぽいから冬も売れるかもしれない、といって取り組むのはちょっと無謀だった」と秀子社長。このときは、原料となる香料を生産するメーカーが倒産したことで、残念ながら製品化に至らなかった。

 そんなとき、気分転換にと專一氏と高校生だった秀子社長、妹の3人で出かけたアメリカ西海岸への旅行でハイサワーのアイデアを得る。完全にプライベートな海外旅行だったが、バーで「普段着のまま普通のおじさんたち」がジンやウォッカを炭酸やトニックウォーターで割って飲んでいる姿を見て「カルチャーショックを受けた」という。スーパーに入れば「ミキサー」(割り材)の陳列棚があり、アメリカにはお酒を割る文化、カクテルがあることを知った。

 そこで專一氏はひらめく。「ウチは清涼飲料水メーカー。炭酸やジュースは作れるし、果汁を混ぜることもできる。お酒は作れないしノンアルコールビールも失敗したが、日本の焼酎をベースにしたジャパニーズカクテルの“相方”だったら作れるのではないか」

 そうして開発された製品が「ハイサワー レモン」(200mlの回収瓶タイプ)だ。本社近くの居酒屋やスナックへ営業し、焼酎を割って飲むスタイルを広めていった。当時、焼酎はビールやウイスキーよりも一段低い存在として見られていたが、ハイサワーで割るとおいしく飲めるという評判が、まだインターネットもSNSもない時代に、まさしく口コミで広まっていった。目黒の本社から半径100メートル内のお店から始まり、目黒区全域へ、さらに隣接する区へとじわじわ広がっていったという。


最初に開発されたハイサワーの回収瓶タイプ。現在も居酒屋などで使われている。

 ちなみに、ハイサワーという商品名は、“吾輩が作ったサワー”という意味から名付けられた“輩(ハイ)サワー”が由来。また、ハイサワーのロゴは、專一氏が筆で手書きしたものが原型となっており、現在に至るまで使い続けられている。

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