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フォルクスワーゲン・グループの複合施設『アウトシュタット』が提供する真のカスタマーサービスとは

2017.05.09

 こうした施設の大きな課題として、いかにしてリピーターを増やすかが挙げられるが、『アウトシュタット』の場合は各種のイベントを招致し、開催することで門戸を広げている。音楽祭やダンスコンテスト、サーカスフェスティバル、冬には凍った池がアイススケートリンクになるから、そこでアイスショーも開かれる。そうした甲斐があって、各種の受賞も果たし成功を収めてきた。

 ここまでが『アウトシュタット』の一つ目の目的だ。日本の自動車メーカーもその気になれば同種のものを作り上げ、運営することができるだろう。その効果も大きい。フォルクスワーゲンとグループ内の各ブランドへの認知を深めることができる。地域社会への貢献も小さくない。そして、『アウトシュタット』にはもう一つの効果もあって、実はそちらの方が大きそうに思えるのだ。

『アウトシュタット』では「引き取りサービス」が行われている。各地のフォルクスワーゲンディーラーで新車を注文した顧客が、ここまでやって来てクルマを受け取ることができる。税制の関係からドイツとオーストリアに限られたサービスだが、人気が高い。2016年一年間で15万2065台が引き渡され、平均すると一日約500台にも上る。

 引き渡しのための専用ホールを覗いてみると、2階では順番を待つ人たちがたくさん座って待っていた。大きなモニター画面に自分の名前が表示されるとスタッフが迎えに来る。登録書類などが確認され、促されて1階へ降りていく。いよいよ自分の注文したクルマを受け取れると、みんな顔が和らいでいる。一人で来ている人もいるが、カップルや家族連れなどが多い。

 

 1階フロアには納車準備の済んだばかりの新車が並べられ、案内された顧客だけが足を踏み入れることができる。2階から観察していると、自分のクルマと対面した人たちは必ず手前で一回立ち止まり、満面の笑みを浮かべて近付いていく。手を取り合って小躍りしているカップルや家族連れもいる。

 ドアを開けて全員が乗り込み、スタッフから説明を受ける。ひと通りの確認が終わると、ドアを閉め、出発だ。専用の扉が開いて外に走り去っていく。クルマを受け取りに来ただけなのに、どうしてみんなこんなに嬉しそうな顔をしているのだろうか?

 注文したディーラーで受け取るのではなく、わざわざ遠くドイツ北部のウォルフスブルグに顧客自らが取りに行くのだから、輸送費に相当する金額を購入代金から差し引かれて然るべきなのに、このサービスには費用が掛かる。金額は車種によって異なり、最も安価な『up!』で500ユーロだから安くはない。一日に500台以上が受け取られているというだけあって、ひっきりなしに人がやって来て、さまざまなフォルクスワーゲンが次々とホールの外に走り出して行く。

 

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