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2017.04.28

「コト消費」という新時代にヒットはどのように生まれるのか?

◎モノに関連したコトを楽しむ消費形態

「モノ消費」の時代から「コト消費」の時代になった、と言われています。コト消費とは、単純にモノ自体を消費したり、モノの機能を楽しんだりするだけでなく、モノに関連したコトを楽しむ消費形態です。

 その典型はスターバックスコーヒーです。コンビニなら100円で買えるコーヒーが最低でも3倍以上の値段なのににぎわっています。なぜなら、人々は単にコーヒーを飲むというモノ消費だけでなく、「おしゃれなスタバの店でゆったりくつろぎながらコーヒーを楽しむ」というコト消費に対しては高い値段を支払う価値があると思っているからです。

 コト消費時代のベースにあるのは「ユーザー・エクスペリエンス」(UX/商品やサービスの利用を通じて得られる体験)の重要性が高まっていることだと思います。だから、従来の延長線上で性能を上げたり、機能を加えたりしただけでは、消費者の購買意欲をかきたてることが非常に難しくなっています。

 その背景としては、日本が成熟してモノがあふれているために人々が物質的な満足よりも精神的な満足を追求するようになったことや、デフレが続いて収入が増えていないために貴重なお金は自分が価値を認められるモノだけに使おうという風潮が強まっていることが挙げられます。さらに、使われていない資産を個人間で貸し借りしたり、企業から借りたりする「シェアリング・エコノミー」の動きが活発化している影響もあるでしょう。そうした様々な要素が複合して、コト消費の時代になったのだと思います。

 とはいえ、消費者がモノに対してお金を使う気がなくなったわけではありません。企業が人々が価値を見いだすもの、すなわちユーザー・エクスペリエンスを訴求する商品を提供しきれていないだけだと思います。

 その証拠に、例えば掃除機は米・アイロボット(iRobot)のロボット掃除機『ルンバ』や英ダイソン(Dyson)のサイクロン掃除機が高価格にもかかわらず大ヒットしています。その理由は、従来の商品とは大きく異なるデザイン性や斬新な機能によってユーザー・エクスペリエンスを訴求したからです。

岸 博幸教授
慶応義塾大学大学院

岸 博幸教授
1962年生まれ。東京都出身。一橋大学経済学部を卒業の後、通商産業省(現・経済産業省)に入省する。現在、慶応義塾大学大学院教授を務めるほか、エイベックス・グループ・ホールディングス顧問、エイベックス・マーケティング取締役を務める。また、福島・楢葉町の復興戦略アドバイザーを依嘱されている。

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