■ちょっと残念なカメラ
ただし、実際に使って見ると、さすがにミドルクラスのスマホに劣るところを見せてくる。その1つがカメラだ。まず、その画素数が13メガピクセルに過ぎない。普通に静止画像を撮影するだけであれば実用的には問題ないのだが、デジタルズームすると、画像が荒れてしまう度合いが高い。ちなみに最大8倍、デジタルズームできる。
ミドルクラスのスマホ、たとえばZenFone3であれば、これが16メガピクセルになる。デジタルズームした場合もより画素数が多いのでよりクリアに写真が撮影できる。また、フォーカスの速度もZenFone3あたりと比較するとちょっとイライラしてしまう。そして、動画を撮影すれば最大解像度はフルHDであり、手ブレ補正も効かないのだ。
まあ、スタンダードクラスの製品をミドルクラスの製品と比較してもフェアではないかも知れないが、そのボディのクオリティ感から、カメラでもそれなりのものを期待するとがっかりするかもという話だ。
ファーウェイのnova liteあたりとの比較であれば、そんな不満はまったくないし、むしろ、動画撮影などではVAIO Phone Aの発色がよくてナイスなほどだ。あまり極端な期待をしなければ十分なカメラ性能ではあるわけだ。
■パフォーマンス
Antutuベンチマークを取ってみると48890。同じような価格帯のファーウェイのnova liteよりは遅いが、実用的には十分な処理能力を持っている。むしろ、NOVA liteが例外的に速すぎるのだ。さらにGeekBench4ではシングルコア694、マルチコア2079になった。
税抜き2万5000円程度でこの外装クオリティのスマホが買えるというのは驚異的だ。しかし、その中身は現時点のお値段なりという感じなので、4万円ぐらいのスマホが2万5000円で買えるわけではないことに注意したい。とはいえ、このオシャレなスマホがこの程度の価格で買えるのも驚異的なわけで、この外観が気に入った人にオススメしたい。
VAIO Phone Aは高級感ある外観でありながら、お手頃価格なスマホを探している人にオススメだ。
■関連情報
「VAIO Phone A」商品サイト
https://vaio.com/products/phone_a051/
文/一条真人
ITジャーナリスト。雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスONE」編集長などを経て現在にいたる。著書50冊以上で、近著は「Androidスーパーハイウェイ」(Kindle版)。IchijoMasahto。本名:OSAMU SAKATA。
■連載/一条真人の検証日記