[メジャー系]
■一番搾り 若葉香るホップ
(キリン 度数5% 500ml)
★女性タレント見立ては、【本田真凛】
と、「一番搾り」の缶ということでもう1つ思い出した、ビールファンにとっても香ばしいネタが。僕は27歳から32歳まで、いまは休刊になった講談社『Hot-Dog PRESS』という若者向け雑誌で編集者をやっていた。ここに、音楽評論家の萩原健太さんの、1ページのライトめなインタビュー記事の連載があり、毎回、しりあがり寿さんに、登場する人の4コママンガを描いて頂いていた。メインの担当が一緒にコンビを組んでいた清水君だったので、彼が長期休暇のときなど、僕がサブ担当として4コマを受け取りに行っていた。他に特集ページでしりあがり寿さんにイラストを描いて頂くこともあり、よく、原宿の資生堂パーラーに月曜の昼休みに受け取りにいったものだ。
なぜ指定の場所が必ず<原宿で・昼休み>なのかというと、その当時、しりあがり寿さんは、キリンビールの宣伝部社員だったから! 土日だけイラストの仕事をして、月曜の昼休みに受け渡しを、本社のすぐそばで、ということだ。
そして話はまだある。しりあがりさんは「一番搾り」の開発時に担当していて、あのアイボリーの微妙な色合いを出すのに、色校正を何十回(うろおぼえだけどすごい数だった)も出したと聞いた。しかしこの話は、イラストレーターのしりあがり寿さんからではなく、宣伝部担当の同一人物から僕も仕事として聞いたのだ。
僕は『Hot-Dog PRESS』では、企業タイアップも担当していた。4人ぐらいでいろんな会社の担当分けがある、まあ、酒好きというレッテルは貼られていて(笑)、お酒メーカーはすべて僕で、当然、キリンも。
そして、「一番搾り」発売時に、記事を作り、「しりあがり寿さんと同じ顔をした宣伝部の担当者」と、打合せをしていたということ。しりあがり寿さんが昔履いてた二足のわらじのうちの一足ずつ、同時に仕事で関わったことは僕にとって光栄な思い出だ。
と、「一番搾り」の缶デザインをめぐる小咄二題でした。おあとがよろしいようで。
★今日のビール川柳
絵心と ビール心を 満たされて
文・写真/石黒謙吾(いしぐろ・けんご)
著述家・編集者・分類王。日本ビアジャーナリスト協会・副会長、日本ベルギービールプロフェッショナル協会・理事。映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』はじめ、『2択思考』『図解でユカイ』『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『分類脳で地アタマが良くなる』『ベルギービール大全』など幅広いジャンルで著書多数。プロデュース・編集した書籍も、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』、『負け美女』(犬山紙子)、『読む餃子』(パラダイス山元)など200冊以上。twitter: @ishiguro_kengo、facebook:石黒謙吾、blog:イシブログケンゴ
■連載/石黒謙吾のLOVEビール
~語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話~