
■連載/オンナは男のココが気になる!
春になるとムズムズ、カユカユ・・・。
それは花粉症による鼻炎症状だけではありません。意外なものがこの時期に増え始めます。
たとえば水虫。梅雨や夏のイメージがあるかもしれませんが、実は患者さんが増え始めるのは今ぐらいの時期なのです。冬場のブーツ生活で足元が蒸れ、雑菌による肌へのダメージが蓄積していたところへ、気温も上がり、汗ばみ、蓄積ダメージはいよいよ立派な水虫へ進化。
いまだに化学繊維の「あったか靴下」を履き続けていませんか?その保温・保湿状態、水虫の温床を作っていますよ!通気性のよい、綿・麻の靴下に切り替えてくださいね。
そしてもう一つ、意外に増えるムズムズ、カユカユは、頭皮湿疹。今の時期は、気温が上がりつつもまだまだ空気は乾燥しているために、皮脂の過剰分泌による湿疹(脂漏性皮膚炎など)の方と、乾燥による湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎など)の方が混在しています。カサブタができたり、フケや粉吹きが増えているなら、それはもう皮膚の病気。ドクターに相談しましょう。お顔ほどは人目につかないからと放置される方も多いようですが、エレベーターやエスカレーターで、後ろの女性に結構見られていますよ。また、症状が進行すると治療もしづらくなっていきますのに、お早めにきちんとした治療を始めましょう。
春先にこれらの症状が増える原因の一つに、免疫力の低下が挙げられます。何しろ、免疫を維持する上で大敵である「冷え」に何か月もさらされた挙句に、そこから急激に気温上昇、寒の戻り、再び上昇と、今度は寒暖差攻撃。当然、免疫力は低下しています。
通常なら、対抗できるはずの菌からの攻撃に、簡単にやられてしまうのです。水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)との戦いしかり、湿疹の原因となる多種多様な雑菌との戦いしかり。カンジタなど、肌に常にいるはずの菌にまけて湿疹になってしまうことも。
だから春先こそ、免疫力対策を。美味しくて栄養のあるものをしっかり食べ、よく眠り、よく笑いましょう!こんなことが、水虫や頭皮湿疹の予防にもつながるのです。
文/今泉明子(医学博士・皮膚科専門医)
※記事内のデータ等については取材時のものです。
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