日本では安倍政権が成長戦略のひとつとして「女性の活躍」を掲げ、各方面で積極的な女性登用を図っており、日本の男女間格差もなくなりつつあるようにも思われる。日本法規情報株式会社が昨年、同社が運営するサイト『セクハラ・パワハラ相談サポート』『育児休暇取得相談サポート』『雇い止め・リストラ・解雇相談サポート』の運用情報や相談者へのアンケートを元に「男女間格差に関する調査レポート」について発表したレポートによると、男性を優位に感じている男性は6割を超え、女性では約8割にも及ぶことがわかった。
アンケート調査の結果、「男性優位・少し男性優位」と感じている人が、男性では合計63%であるのに対して、女性では合計78%に上った。一方、「女性優位・少し女性優位」と感じている人は、男性では合計15%であるのに対して、女性では合計4%にとどまりました。「おおむね男女平等」と感じている人は、男性で13%、女性で9%という結果になった。男性においても「男性優位・少し男性優位」が「女性優位・少し女性優位」を上回り、女性の視点からだけではなく男性の視点から見ても男女間格差を感じていることがわかった。
1985年に男女雇用機会均等法が制定されてから今年で31年目になる。国や地方自治体では、育児支援のほか、相談窓口を設けるなどしてさまざまな活動が行なわれてきたが、まだまだ多くの人が男女平等を感じられる世の中にはなっていないようだ。実際、世界経済フォーラム(WEF)の発表によると、世界各国の社会進出における男女間格差を指数化した2015年版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は調査対象145か国のうち101位となっている。これは先進国の中でも低い順位で、様々な分野でのさらなる対策が必要なようだ。
次に、実際に自分が男女間格差を感じたことがあるかについて女性に聞いたところ、女性の約3人に2人が男女間格差を経験しており、「職場関係者から」が最多であることがわかった。男女差別を受けたことがないと答えた人は195人で、全体の36%にとどまり、女性の約3人に2人が男女間格差を感じたことがあるということが分かった。アンケート調査では350人の女性が何らかの男女間格差を感じたことがあるということになるが、職場関係者から感じたことがある人が最も多いようだ。では、どれほどの男性が男女差別に当てはまる言動をしたことがあるのだろうか。
■7割以上の男性が「男女差別をした経験はない」と回答。男女間に認識のずれか
男性に女性に男女差別に当てはまる言動を誰かにしてしまった経験はあるかを聞いたところ「男女差別をしてしまった経験はない」と答えた人は362人で、全体の72%となった。先ほどのアンケート結果の、男女差別を経験したことがある女性の割合との乖離がみられることから、男女間格差を感じさせる行動を男性が無意識にとってしまっている可能性がある。また、残りの28%の男性が何らかの男女差別を女性に対してしてしまった経験があると答えており、職場関係者が69人で最も多いという結果になった。
【調査概要】
調査期間:2015-12-05〜2015-12-31
回答者:1052人(男性505人 女性545人
文/編集部