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完成まで1年半かかるロボット『週刊鉄腕アトム』は17万円に見合う内容か?

2017.03.26

 デザインは、手塚プロダクションが全面的に監修しており、手作りの粘土からCADデータを起こして開発されたという。簡単にいえば、簡易的な二足歩行を行う、アトム型のコミュニケーションロボットというのが、『週刊鉄腕アトム』で組み立てられるロボットの位置づけになる。音声はアニメ版でアトムの声優を務める津村まこと氏が担当している。

『週刊鉄腕アトム』は、アトム生誕90周年の記念として始動したプロジェクトだ。講談社の代表取締役社長、野間省伸氏によると、「キャラクター性、自然対話、エンターテイメント性の3つが重要と思って開発した」といい、企画から実現までには3年の歳月がかかったという。手塚プロダクションの取締役、手塚眞氏も「まだ生まれたてで空を飛んだりもしないし、10万馬力もないが、これは未来へ向けて進んでいくプロジェクト。まだまだたくさんの可能性を秘めている」と期待をのぞかせた。

アトムは、5社のタッグによって実現した
アトムは、5社のタッグによって実現した

 パートナーにとっては、技術力を生かせるのがメリットになりそうだ。VAIOは、ソニー独立後に、PCに次ぐ柱として、安曇野工場の設備を生かした受託事業を強化している。会話のベースになったPARLOを開発した富士ソフトとも連携しており、「Palmi」というロボットの製造を行っている。

 一方で、ドコモは、「+d」を旗印に掲げ、協業による新たな価値の創出に取り組んでいる。アトムへのクラウドAI提供も、その一環で、ドコモにとっては「(より多くの人が利用する可能性のあるアトムは)対話プラットフォームをお使いいただける絶好の機会で、ビジネス上のメリットもある」(担当者)という。アトムを実現したい講談社、手塚プロダクションと、それぞれの技術を提供できる富士ソフト、VAIO、ドコモの思惑が合致した格好だ。

5社の強みや思惑が合致して誕生した
5社の強みや思惑が合致して誕生した

 このように、“最強のタッグ”で生まれたコミュニケーションロボットのアトムは、子どものころからマンガやアニメでアトムに親しみ、その実現を夢見てきた人にとって、待望の商品と言えるだろう。ただ、記者会見を取材した際には、少々“違和感”も覚えた。1つ目は、アトムのしゃべり方だ。ロボット用のプラットフォームを使い、機械的に言葉を生成しているためか、アニメのようなスムーズさが感じられない。

 ロボホンやPalmiなど、他のロボットのしゃべり方を聞いたことがある人には、「ああいうしゃべり方」と言えばピンとくるかもしれない。言葉がフレーズごとに切られており、アクセントもどこかおかしいのだ。これが、ロボホンやPalmiのように、まだ見たことがない、いかにもロボットな形をしていれば、“そういうもの”としてすんなり受け入れらたかもしれない。一方で、これは姿がアトムそのもの。アニメのスムーズなしゃべり方に慣れているためか期待値も上がり、そのぶん、違和感を覚えてしまったのも事実。アトムの名を冠することの重さを感じた次第だ。

 もう1つの違和感は、会話プラットフォームの利用に、約1000円の月額利用料が予定されているところにある。この料金は、70号合計で17万4474円かかる料金とは別に必要となり、クラウド上で音声を分析するためのものだ。確かに、クラウド上でサーバーを運用するためには、費用がかかるのは仕方がないことだ。実際、ロボホンなど、他のロボットを見ても、サービスにはサービスとして料金がかかっている。

 とは言え、ドコモ側でもう少し料金プランを工夫できなかったものか。たとえば、ドコモの契約者には割引を提供するなど、クラウドAI以外の協力の仕方もあったような印象を受けた。44cm、1.4kgと持ち運び可能なサイズだったため、SIMカードを内蔵させ、その通信費にクラウドAI利用料を含めてしまうという見せ方もあったはずだ。ただし、前者はソフトウェアの進化で、後者はビジネス条件の問題で、どちらも改善の余地はある。手塚氏が「生まれたて」と語っていたように、今後の進化にも期待したい。

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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