■シーン別!ビジネスパーソンの日中の眠気対策
続いて、ビジネスパーソンによく起きる日中の眠気が襲ってくるシーン別に、その対処法と仕事のパフォーマンスを上げる方法を小林さんに教えてもらった。
★デスクワークの最中、眠気がやってきたとき
「簡単かつオフィスでできること。それは“アクションを変える”ことです。例えば、席を立って動く、トイレに行く、ついでに階段を上り下りしてみる、ストレッチ、隣の同僚と無駄話など、『気分転換』と同時に『体を動かして血流改善したり心拍を上げたりする』ことが有効です。また、アイテムなどに頼る場合は、顔を洗う、ガムを噛む、コーヒーを飲むなどがあります。コーヒーを飲む場合、眠くなってほしくない時間の20分前に飲んでおくといいでしょう。自分の刺激になるアイテムを複数持っておくといいですね。意識をしてこまめにアクションチェンジしてみましょう」
★午後の会議中にうとうとしてきたとき
「会議中は、席を立つわけにもいきませんし、物を取り出すわけにもいきません。そこで、試してみると良いことはツボ押しと耳引っ張りです。ツボ押しは、合谷(ごうこく)・百会(ひゃくえ)・風池(ふうち)の3点。こっそり押してみてください。耳引っ張りは、縦横斜め痛くない程度、かつ耳が熱くなる程度に引っ張ります。この二つはいずれも『脳血流改善』に効果があります。血流がUPすることで、眠気対策になります。また、少しの間目を閉じて、大好きな食べ物を食べて最高の気分になるイメージをするのも有りです。興奮=ドーパミンが分泌され、覚醒度がUPします」
★運転中、絶対に寝てはいけないとき
「残念なことですが、睡眠不足による事故の報道が後を絶ちません。解決法は、日頃しっかりと寝るしかありません。行動管理も仕事であり・責任です。どうしても運転中眠気に襲われたら、道のかたわらに停めて寝るといいでしょう。10~15分ほどの仮眠でも、その後の眠気が和らぎます。そのたった10分を惜しんで、何億円という損害や大切な命を失うなどのことがないことを願います」
普段、何となく行なっていた眠気覚ましの行動も、これらの方法を取り入れて意識的に実践し、仕事のパフォーマンス向上に努めたい。一つの対策で失敗しても、他の対策を試してみることも大切。そのためには、対策のバリエーションを増やすのも一つのコツといえそうだ。
小林瑞穂さん
睡眠活用の専門家/ライフクリエイトアンバサダー。薬剤師として延べ5万人以上の眠りの悩みに関わる。上級睡眠改善インストラクター資格を取得し、快眠サロン水月~mizuki~経営に至る。オーダーメイドの改善提案だけでなく、ビジネスパーソン向けに『ハイパフォーマンス睡眠法』等をセミナーや研修でお伝えしている。https://mira-navi.jp/navigator/mizuki/
取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。