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トランスジェンダーは映画界の新しい潮流になるか?

2017.03.22

■連載/Londonトレンド通信

 この2月に開催されたベルリン国際映画祭から、強力なヒロインを持つ2本の映画をご紹介したい。1本はコンペティション部門に出品され、銀熊賞・脚本賞を獲得したセバスティアン・レリオ監督『A Fantastic Woman』、もう1本は日本からパノラマ部門に出品された荻上直子監督『彼らが本気で編むときは、』だ。

 全くタイプの違う2本だが、共通しているのはヒロインがトランスジェンダーであること。キャラクターの強さはそこにも由来している。本映画祭のLGBT関連映画を対象としたテディ賞で、『A Fantastic Woman』は最優秀作品賞、『彼らが本気で編むときは、』は審査員特別賞を受賞した。

 振り返ってみると、近年、トランスジェンダーを主役にした映画と言えば『タンジェリン』が出色だった。実際にトランスジェンダーによって演じられた主人公が街を行くライブ感が強烈な映画で、カメラとして使われたのがアイホーン5Sだったことでもセンセーションを巻き起こした。

 28日間の刑期を終え出所した娼婦である主人公は、そのケバい姿に違わず口調もかしましい。そこに同類の友人、恋人、妻帯者ながらトランスジェンダー好きなタクシー運転手などが絡み、話が転がっていく。コメディータッチでほろ苦おかしくトランスジェンダーという存在を浮かび上がらせた。

 さて、『A Fantastic Woman』でも主人公を演じているのはトランスジェンダーのダニエラ・ヴェガだ。

トランスジェンダーは映画界の新しい潮流になるのか?

 ダニエラ演じるマリーナには年上の恋人がいる。ともに過ごしたある晩、恋人が急に体調を崩す。病院へ運び、親族に連絡し、かいがいしく働いたマリーナだが、恋人があっという間に帰らぬ人となってしまった後には遺族から邪魔者扱いされてしまう。

トランスジェンダーは映画界の新しい潮流になるのか?

 亡き恋人への想いを胸に、遺族からの冷たい仕打ちやあからさまな攻撃にも毅然と対するマリーナの強さが美しい。コンペ中の賞ではダニエラに女優賞が行くかと期待したが、前述のように脚本賞だった。マリーナをファンタスティック・ウーマンに見せているのはダニエラの演技はもちろん、脚本の上手さもある。異論はない。

 ゴンサロ・マサとともに脚本も手がけたレリオ監督は、2013年のベルリン・コンペに出品した『グロリアの青春』では当時52歳のパウリナ・ガルシアに銀熊賞・女優賞をもたらした。ありがちな妙齢の美男・美女ではない主人公を輝かせるのが得意なようだ。

 パウリナが演じたのは、子育てを終え、離婚を経験し、恋を見つけるも…という58歳のグロリア。老いを迎える女性が等身大に描かれ、後味の良い映画になっていた。

 グロリア同様、元気で明るいパウリナだったが、年齢を感じさせない美魔女などではない。ベッドシーンではたるんだお腹まで披露している。

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