
■連載/90年代スニーカー再考!人気ショップのディレクターが語る『AIR JORDAN Ⅰ』の魅力
【人気ショップのディレクターが語る『AIR JORDAN Ⅰ』の魅力】
ナイキの『AIR MAX 95』や、リーボックの『INSTAPUMP FURY』といった誰もが知る名作が牽引し、社会現象にもなったハイテクスニーカーブーム。NBA人気に伴う『AIR JORDAN』シリーズの流行。90年代は、現在でも愛され続けているスニーカーが数多く生まれた。90年代とはスニーカーにとってどのような時代だったのか。
■ブームをリアルタイムで体験し、"熱"を肌で感じたことは、やはり今に繋がっている。
話を聞いたのは、スポーツと共に歩むアーバンライフスタイルをコンセプトに展開している「Sports Lab by atmos」でディレクターを務めるKOJIさん。
90年代の中期に起きた、いわゆるハイテクスニーカーブームのとき、中学生だったというKOJIさん。スニーカー、ファッション、カルチャーといったものに興味が出てきたときにやってきた世間の熱狂をよく覚えているそう。
KOJIさん:ちょっと異常な感じはありましたよね。エアマックス狩りなんていう、今じゃちょっと考えられないこともありましたし。スニーカーを盗まれたとか、エアの部分を切られたとか、そんな話を周囲で聞くぐらい。ショップの店頭で売っている商品にプレミアム価格が付いていることも普通でしたし、雑誌に掲載されているショップの広告にも、定価以上の価格が付けられているのは当たり前で、ASKなんて表記があったり。まぁ決して良いことではないんですけど(笑)。
僕は埼玉県に住んでいたんですけど、高校生の頃もちょこちょこ原宿に遊びに行っていました。今のようにインターネットが普及していたわけではないので、情報源は雑誌かショップ。雑誌は月に1回しか出ないんで、自ずとショップで教えてもらったことが重要な情報でした。あのブームを体験していなかったら、今の職業についてないかもしれないので、自分にとっては凄く大きなことだったんだと思います。
そんなKOJIさんが、人生で初めて買ったスニーカーはナイキの『AIR JORDAN Ⅰ』。1994年に最初の復刻を果たしたときのモデルで、取材日に現物を持ってきて頂いたのだが、20年以上前にリリースされたものなのに、もの凄く状態がいい!
KOJIさん:小遣いを貯めて、雑誌に載っていたショップに電話して通販で買いました。『AIR JORDAN』シリーズはストリート雑誌でフィーチャーされていたのと、当時は「スラムダンク」も大ブームで。いろいろなメディアからの刷り込みがあったんだとは思うんですが、これはとにかくカッコいいぞと思いました。バスケ部だったわけではないんですけど、『AIR JORDAN Ⅰ』が、僕にとってのスニーカーの入り口でした。もう最近はもったいなくて履いていないんですが、20年以上前に買ったのにこの状態なのは、素材も作りもいいからでしょうね。
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