
世界規模で経営統合が続く製薬業界だが、製薬会社の売り上げはどうなっているのだろうか。製薬業界に特化したニュース解説メディア『AnswersNews(アンサーズニュース)』が発表した海外の大手製薬会社の2016年の業績ランキングを見ると以下のようになっている。
■ファイザー「イブランス」が急成長 ロシュは500億ドルの大台に
集計対象としたのは、2016年12月期の世界売上高が100億ドルを超えた海外の大手製薬会社。2月23日までに業績発表を行った19社をランキングした。日本企業をはじめ、現時点で業績発表を終えていない企業も、発表され次第ランキングに反映していく予定。
トップとなったのは、528億2400万ドル(5兆7050億円)を売り上げた米ファイザー。新製品の乳がん治療薬「イブランス」が前年の約3倍となる21億ドル余りに伸びたほか、ホスピーラやメディベーションといった企業買収も業績を押し上げた。「イブランス」は日本では昨年10月に承認申請。17年中の発売が見込まれる。
ファイザーの売上高は前年比8%増で、2011年以来5年ぶりとなる増収を確保。13年にスイス・ノバルティスに奪われた世界首位の座を取り戻した。2位は抗がん剤が好調なスイス・ロシュで、売上高は515億8800万ドル(5兆5634億円)と500億ドルの大台に乗った。抗がん剤「リツキサン」「ハーセプチン」が堅調に推移したほか、同「パージェタ」や関節リウマチ治療薬「アクテムラ」が大幅に拡大。抗がん剤「アレセンサ」や、日本では承認中の免疫チェックポイント阻害薬「ティーセントリック」など、最近発売した新製品も貢献した。