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2017.03.10

AIタクシーは人工知能で何を解決してくれるのか?

 2017年1月末から東京都23区などでタクシーの初乗り運賃が値下げされた。「初乗り料金は下がったけれど、長距離乗車する上客には値上げじゃないか」などの批判もあるが、利用客減少が続くなかで、「ちょい乗り需要」を掘り起こしたい業界や、増え続ける外国人観光客の“足”を制度面でも確保したいなど行政の思惑が一致して導入に至った(タクシー業界の現況については、国土交通省自動車局旅客課の「新しいタクシーのあり方検討会」資料を参照)。

 こうしたタクシー業界の課題を、ビックデータやAIを活用して解決することを目指す取り組みが行われている。そのひとつがNTTドコモ、富士通、富士通テン、そして東京無線による「AIタクシー実証について」である。このプロジェクトの成果についての報告があったので、取材をしてきた。

「AIタクシー」は人工知能で何を解決してくれるのか?
実験は2016年6月から東京23区ならびに武蔵野市と三鷹市において、2017年3月まで行なわれる。「AIタクシー」は、NTTドコモの登録商標。このあたりからも、同社の「やる気」が伝わってくる。

 このプロジェクトは2016年5月に公表され、今年3月31日まで実施を予定しているが、実証的な効果が確認されたこともあってか、2月17日に経過報告があった。プロジェクトの核は、NTTドコモのネットワークのしくみを利用して作られた人口統計と呼ぶビックデータを活用すること。同システムは、日本全国で約7000万回線ある利用者の情報から人口統計を作成する。この人口統計を、社会課題の解決や、マーケティングに活用する試みは、「モバイル空間統計」と呼ばれるサービスとして商用化されている(提供元は、市場調査会社のインテージ社とのNTTドコモの合弁会社ドコモ・インサイトマーケティング社など)が、今回実証実験を行なったタクシー利用者の需要予測に使われている人口統計は、「モバイル空間統計」と同様のしくみで、統計情報の時間単位が1時間毎の人口から10分毎の人口へ、対象とする統計の期間は1~2か月単位から10分毎に大幅に短縮されていて、より動的かつ細やかに人の動きを知ることができるようになるという。

 このように説明していくと、「私が使っている携帯電話やスマホ情報を勝手に使うのって、どうよ?」という方も出てくると思われるので、少し補足しておく。そもそも携帯電話やスマホは基地局と定期的にやり取りを行なうことで、「いつでも、どこでも」のコミュニケーションを可能にしている。その際、どんな利用者(属性データ)が、いまどこにいるか(位置データ)を常にやり取りをしているからこそ、「この利用者はドコモを契約していて、利用料を支払っているか否か」「どんな料金プランや、どんなサービスを契約しているか」などを把握することができる。このときの属性データと位置データを併せたものを「運用データ」と呼び、「運用データ」から氏名や電話番号、生年月日などを取り除き「非識別化処理」されたものを集計し、抽象化した統計情報を人口統計と呼ぶビックデータとして活用しているのである。

こうした携帯電話の個人情報に関しては、総務省が「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン及び解説」を2004年に策定し、2015年6月から適用された新ガイドライン(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン(平成16年総務省告示第695号。最終改正平成27年総務省告示第216号)が、第5条の利用目的で<電気通信事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定するものとする。>としているが、同省は、<なお、個人情報に対して、特定の個人を識別できないようにする加工(いわゆる匿名化)を行なうことは、個人情報の利用に当たらず、利用目的として特定する必要はない。>と解説を付記して携帯電話会社が「運用データ」を利用することに道を開いている。

もちろん、それでも自分の情報を利用されるのは嫌だ、という方に向けてドコモでは「モバイル空間統計ガイドライン」の解説の最後で、<お客様から、モバイル空間統計への運用データの利用を停止するようお申し出があった場合、当該お客様について、運用データの利用を停止します。>と説明し、その際はドコモインフォメーションセンターへ連絡してほしい旨を説明している。

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