
■連載/石黒謙吾のLOVEビール
~語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話~『ビールを飲むなら「度数高め」のものから飲むべき理由』
ビールが好き、もっと知りたい&楽しみたい。でも、マニア向けのものは結構、とは言っても当たり前の話は知ってる。そんな、粋でイケてるビールファンに贈る、なんでもありの読み物です。語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話をお楽しみください。
「えっとー、あたし、ビール好きだけどぉ、そんなにお酒強くもないから、最初は、軽めのからでぇ……」
ゴッラァ〜ッッッッッ!
なにぬるいこと抜かしさらしとんねんワレ! 逆だ! 逆なんだよ。
関西弁がおかしくなりつつ興奮してしまうのは、女子がベルギービールやクラフトビールをビアパブで飲むシーンを想像して……というか何度も体験してきて、あれを聞いた時。
いや、この状況は女子に限らず、男子でも「あるある」だ。まあそう考えるのもわからないこともない。たぶん多くの人が、深く考えずになんとなく<強いお酒はあとで>と刷り込まれているだろうから。
よく聞くのが「急にアルコール度数が高いのを飲むと胃腸や肝臓に負担かかるでしょう」という健康面を気にするコメント。
医学的なことを語る知識は持ち合わせていないので仮にそれはそうかもしれないとして、だね。そこまで胃腸肝臓の負担を心配するならば、たとえば2時間飲んでるとして、トータルのアルコール分量を先に気にするべきじゃないのかと。
急に強いっつたって、度数70パーセントのアブサンがぶ飲みから入るわけじゃなく、強くてもMAX12%あたりのビールなんだから、そもそも6%のを倍飲んだら同じだし。
それから「酔っ払っちゃまずいから弱いのから」とくるカマトト…いや、いい子チャン的お行儀の心配からのコメントも。
ここで言いたい! 弱いのから飲んだら飲み口がよくて量が進む。そして調子づいてから強いの飲んだらもうすこーんと酔いが回るっていうの。
と真上から目線で語ってる僕も20年ぐらい前まではそう刷り込まれていたクチ。しかし、味わい深く、広大なバリエーションを持つベルギービールの世界にハマってから、がらりと変わった。