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フライパンで焼けばベーコンの味に!?注目を集める「海藻食」

2017.02.18

■料理の中で肉が1割しか使えない未来が来る!?

 海藻という植物性の食べ物が燻製肉の“ベーコン”に似ている意味は大きい。なぜなら今後我々の肉食の機会が減っても不思議ではないからだ。米・フロリダ国際大学の研究によれば、地球上の生態系と生物種をこのままま維持するためには、我々人類は食用肉の消費を減らさなければならないという。現在の畜産業は地球上の生物の生息地と森林の喪失を引き起こす最大の要因であるということだ。

 研究チームは南アメリカの熱帯地域、アフリカ、アジアなど豊かな自然環境をもつ国々における食肉の消費量を調査したところ、昨今、野生動物の肉や畜肉の消費は急激に増えており、そこへ人口増の要素も加わりこのままのペースで食用肉の消費が増えていけば、これらの国々では2050年までに現在の30〜50%にあたる農地を畜産用の餌のためだけに新たに開墾しなければならないという。

 これにより豊かな土壌や地下水の喪失、環境中の窒素とリンの過剰から発生する栄養素汚染(nutrient pollution)を引き起こし地域の気候を変動させ、野生生物の減少と生態系の劣化をもたらすということだ。特に喫緊の懸念となるのが中国での畜肉の消費の急激な増加と、アフリカでの野生鳥獣の乱獲であるという。

フライパンで焼けばベーコン味に!? 注目を集める「海藻食」
Phys.org」より。

 近い未来に予測されるこれらの問題に対処するには、3つの解決策が考えられるという。

1.肉と肉製品の消費を減らし、食事中の穀物と野菜が占める割合を増やすこと。カロリーベースで食事の90%を穀物と野菜にし、肉は10%にすることが理想的であるという。

2.環境面で非効率な家禽である牛やヤギ、羊などの畜産を減らし、エサが比較的少なくて済む単胃動物の鶏やブタを主流にする。また海産物などの他のタンパク質が豊富な食材を食肉の代用にする。

3.大量のエネルギーを消費する大規模な畜産を止め、技術革新により地域の環境や生態系に適した多様な畜産業態を開発する。

 肉好きな人々にとって、食事の1割しか肉が使われなくなるという最悪のケースはショックかもしれない。しかし2050年までに、20億〜30億の人口増加が見込まれた上で、世界中の人々の肉への欲望を公平に満たすには計算上ではこうなるというのだ。もちろん実際にはそれぞれの国や人々の経済的事情などにより実態は異なってくるとは思われるが、地球環境を考慮するならばこれまでよりは大幅な“肉欲”の抑制を余儀なくされる可能性は高いと言えるだろう。

「マーケットは人々の食肉の消費を上げ下げできる影響力をもっています。肉の消費が身体と自然環境にダメージを与えるという意識を広めることは、マーケット主導による食生活の変化の流れを後押しするものになるでしょう」と、フロリダ国際大学の生物学者ブライアン・マチョビナ氏は科学情報サイト「Phys.org」の記事で言及している。

 しかしこれは決して悲観的なシナリオというわけではなく、穀物や果物、野菜を使った美味しい料理や食品は今後もどんどん開発されるであろうし、世の中を菜食のほうへとシフトさせることで今後40億の人口増加にも対応できるという。つまり世界的に菜食がメジャーになれば、人口問題は当分考えなくてよくなるということだ。また栄養過多、過食による各種の成人病を防ぎ医療費を減らすメリットも大きい。

 望めば毎日のように手軽に肉や肉製品を食べられる現在の食生活を地球規模で考え直す時が来てしまったと言えそうだ。ご存知の通り日本ではかつてほとんど肉を食べない食生活が広く一般で行なわれていた。この時代に培われた「和食」が昨今世界的に注目されているのも、この潜在的“食糧危機”とあながち無縁ではないかもしれない。

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