
オリンパスからフラッグシップ機『OM-D E-M1Mark II』が発売された。発売前にメーカーのオンラインショップに注文しておくと、発売日の午前中に届いた。実際にカメラを1か月使い、先代モデルのE-M1と比較し進化の具合を探っていくと、「ユーザーの要望」が数多く反映されているのがわかってきた。
まず、先代モデルの不満点や要望を受け入れて製品に盛り込むことにより、ユーザビリティを向上させている。このカメラを入念にチェックしてみると、総じて「ものづくりとは何か」を考えさせられてしまった。顧客の意見を真摯に受け止め、必要に応じて改善をしていく。昨今、メーカー都合の仕様で新製品として登場することが多いなか、オリンパスのこの姿勢は高く評価したい。
「1」という最上位機種を継承したE-M1Mark IIは、真のプロ仕様と言えるのか?プロカメラマンである筆者が、前モデルと比較しながら実践の現場で使った印象も交えてお伝えしたい。
カメラの持ちやすさを向上させたグリップ部。大きさや形状を視覚化するために、先代モデルと輪郭を赤色の線にて作成し比較。新型は全体的に肉厚になり、エルゴノミックにそったデザインになっている。
ストラップ取り付け金具は、右手でカメラを持つ際に支障にならないよう配置をカメラ上部に変更されている。右手がストラップに触れながら撮影するのは、潜在的なストレスになる場合がある。カメラ上部に配置するのは、サイズが大きな一眼レフカメラで採用されていることはあるが、サイズ的な制約の多いミラーレスでは珍しい。
Fnレバーの切り替えレバーが変更になった。従来は上方向からレバーを倒す方式の仕様が、下からレバーを上げる方式に刷新された。ファンクションの切り替えは重要なことで、以前は撮影時に不用意にレバーを触ってしまうことが多かった。本人が意図していないため、カメラ設定が別設定になった時は撮影現場で困惑することが多かった。
モードダイヤルは大型化され、カスタムモード(C1~C3)も追加された。ユーザーがカスタマイズしたカメラ設定にロスタイムなく変更が可能になる。従来に比べ、より多機能的な設定の登録ができ表現の領域が拡大される。