進路指導教員が最近の高校生に備わっていないと感じる能力は?(2017.02.02)
リクルートマーケティングパートナーズが運営する、リクルート進学総研は、高校の進路指導・キャリア教育の現状を明らかにするため、全国の全日制高校の進路指導主事に対して進路指導の困難度、キャリア教育の進捗状況等についての調査を実施した。
■9割以上の教員が、進路指導を「難しい」と感じている
高校における進路指導の難しさについて、「難しい」と感じている割合は91.9%に上り、前回調査(2014年)の90.0%から高止まりとなった。「非常に難しいと感じている」教員は2012年から2回連続で減少している。(2012年34.6%→2014年31.6%→2016年30.4%)
■困難の要因(上位3つ)は「入試の多様化」がトップ(前回4位から上昇)
難しさを感じる要因については、前回調査4位の「入試の多様化」(25.7%)がトップ。2012年調査より2回連続で増加しており、2012年より8.2ポイントの上昇。(2012年17.5%→2014年19.7%→2016年25.7%)
寄せられた主なフリーコメントは次のとおり。
「入試の多様化」
・学習指導要領、入試制度が変わっていくことにより、新たな制度、取り組みを追加していく必要があり、個々の生徒への学習・進路指導などを十分に実施するための時間減少につながる。
・大量の情報の中から、生徒にとって有利になるものを選択するのが困難。学校によって入試が異なるため、ケースごとに対応する必要がある。
・高大接続改革の号令とともに、ここ数年の学部改組や入試変更はとても教師が把握できるものではない。
「教員が進路指導を行なうための時間の不足」
・教科指導、HR指導、部活指導に多くの時間をとられる。
・近年授業の進め方(アクティブラーニング等)で時間が取られ進路対策が後手に回る。
・英語の4技能重視や記述型入試の導入の為の国語の授業・指導方法の変更などの対応に時間がかかる。
「進路選択・決定能力の不足」
・「行きたい学校」ではなく、「行ける学校」を志望する安全志向が強くなっていること。
・高卒後の幅広い進路選択において、自分の意志で決めきれなく、保護者や教員に頼る傾向が強い。