
スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はGoogleオリジナルのスマホ端末「Google Pixel」はどうなのか、話し合います。
■「Google Pixel」は成功するか
房野氏:石川さんはGoogleが作った新しい端末「Pixel」を入手したそうですね。いかがですか?
石川氏:Pixelは「Made by Google」だけあって、ちゃんとしたスマートフォンになっていると感じます。カメラの画質はいいし、Daydream(スマホでVRを可能とするプラットフォーム)対応だし、Google Assistant(対話型のパーソナルアシスタント機能)もちゃんと動いている。Googleは、iPhoneに対抗するために自社でやらざるを得なくて、こういう形になったのかなと思います。
Google Assistantはまだ英語でしか試していないんですが、つたない英語でも認識してくれるし、文脈をとらえて答えてくれる。たとえば「アメリカの次の大統領は誰?」と聞くと「トランプ」と答えるし、「彼の奥さんは誰?」と聞くと、トランプの過去3人の妻をちゃんと答える。「Trump's wife?」じゃなくて「His wife?」と聞いても文脈を理解して答えてくれる。GoogleのAI対応は素晴らしいなと感じています。
AppleがSiriなどのAIをクローズドで開発しているうちに、オープンで開発しているGoogleにあっという間に抜かれてしまっている。スマートフォンの進化は、恐らくこの先はAI勝負。パーソナルエージェントの賢さや面白さが選びのポイントになってくるのかなと思いました。
房野氏:法林さんはどう思われましたか?
法林氏:触っていないから、なんともいえないかなあ。プラットフォームを作っている人たちがハードウェアを作ることに関しては、疑問を持っています。新しいことをやろうとしているのはすごいと思うし、石川君が説明したAIの話もすごいアプローチだと思うんだけど、そのハードウェアである必要性があるのかどうかは疑問に思います。
しゃべって何かをするUIとしては、Amazon EchoやAppleのSiri、マイクロソフトの「りんな」もある。日本もエモパー、ロボホンがいるけれど、どのレベルかということですよね。正確な答えを求めるのか娯楽なのか。対話型は今後のテーマの1つだけど、それが端末と固有の関係があるかは、僕は微妙だと思っている。日本のユーザーとしては、技適の問題もあるけれど、導入までにタイムラグがあることにストレスを感じるようになってくると、Androidとして良くない方向に行っちゃう可能性がある。