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『Xperia Ear』は本当に音声だけですべてをこなせるのか?

2016.12.25

■着信の読み上げは正確で、スマホを取り出す必要がなくなる

 役に立ったと感じたのが、通知の読み上げ機能だ。こちらはSMS以外にも、LINEやGmail、Messenger(Facebook)、カレンダー、Twitterなどに対応している。通知が来ると、その内容を読み上げてくれるだけだが、日本語をかなり正確に音声にしてくれるため、聞いているだけできちんと内容を把握できる。Xperia Earを耳につけっぱなしにしておけば、即対応しなければならない電話などがかかってこない限り、スマホはポケットの中に入れっぱなしにしてもいい。スマホの画面に目を落とさないで済むようにしたいという、Xperia Earのコンセプトどおりの機能といえるだろう。

通知の読み上げは、LINEやMessengerなどのサードパティー製アプリにも対応する
通知の読み上げは、LINEやMessengerなどのサードパティー製アプリにも対応する

 筆者の場合、Gmailにプレスリリースが送られてくるため、特に15時ちょうどはメールが集中して届きがちだ。複数のメールを同時に受信した際は、読み逃しもあったため、この点は改善してほしいと感じた。また、特に読み上げる必要性のないメールの内容が延々と耳元に流れてくるのも、少々うっとおしいと感じた部分でもある。メールのフィルタリングをするのは簡単ではないが、たとえば指定したキーワードが含まれるメールだけを読み上げたり、登録した相手からのメールだけに反応するようにしたりと、何らかの対策はあるはずだ。届くメールの重要性を判別する機能は、ぜひ実装してほしい。

 また、実利用に際して、厄介なトラブルもあった。筆者は取材時などの録音にスマホを活用しているが、Xperia Earの通知読み上げがオンになっていると、その都度録音が中断されてしまう。これは、録音アプリ側の問題でもある。原因は通話がかかってくると録音が中断される仕様のためで、Xperia Earの通知読み上げを「ヘッドセットを使った通話」と判断し、録音が止まってしまったというわけだ。このトラブルを回避するには、Xperia Earを耳から外して使用を止めるか、通知の読み上げをオフにするしかない。会見中など、メールを凝視できない状況の中、耳元でその内容を読み上げてくれるのは便利だと思っていただけに、少々残念だ。

Galaxy S7 edge標準の録音アプリは、通知が読み上げられるたびに録音が止まってしまった
Galaxy S7 edge標準の録音アプリは、通知が読み上げられるたびに録音が止まってしまった

 もう一点残念なのが、音楽再生が片耳でしかできないところだ。これは、Xperia Earの企画の根幹に関わる問題で、アプリのアップデートでは解決できないところだが、アップルのAirPodsのように、両耳に装着することでステレオ再生も可能にしてほしかったというのが正直な感想だ。音楽を聴く際に、わざわざBluetoothのイヤホンに着け替えなければいけないのは面倒だし、かといって、そのまま再生すると音質が悪い。ウォークマンなどの生みの親で音楽に強いソニーの製品で、スマホのXperiaもこれまで音楽再生機能にこだわりを持ってきただけに、残念だと思う気持ちが強い。パーソナルエージェントという趣旨はわかるものの、両耳にイヤーピースをつければステレオ再生になるような仕様にすることも、技術的には可能だったはずだ。

 コンセプトはおもしろく、スマホの画面を見る頻度も少なくなるXperia Earだが、実際に使ってみると、機能面で、まだまだ粗削りなところが多い印象を受けた。音声操作の対応アプリを増やしたり、読み上げる通知をユーザー側がもう少しコントロールできるようにしたりといった機能追加は、ソフトウェアのアップデートで可能になる。もちろん、Xperia Earはまだスマートプロダクトの第一弾で、意欲的な製品でもあるだけに、ここで一刀両断にするつもりはない。使い勝手を向上させるためにも、ぜひ定期的な改善を続けてほしい。

【石野's ジャッジメント】
UI         ★★★
レスポンス     ★★★★
バッテリーもち   ★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
アプリの数     ★★★
質感        ★★★★
オリジナリティ   ★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

■連載/石野純也のガチレビュー

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