
ストレスは一般的に肌や頭皮、毛髪に悪影響を及ぼすと言われているが、これらの因果関係や詳細なメカニズムは明らかになっていなかった。そこで、マンダムは、化粧品(医薬部外品)における機能性の向上を目指し、医療法人社団Xanaduあやこいとうクリニック院長伊藤史子医師と共同で、日本人男性の頭皮に関する研究に取り組んでいる。
同社では、これまでの研究で30歳代、40歳代の薄毛傾向にある男性は、同年代の男性と比較して頭皮が硬いことを明らかにし、また、硬い頭皮をやわらかくするための成分も見出している。今回、さらに男性の頭皮状態とストレスの関係について調べた結果、ストレス指標の高い群ほど、後頭部の毛経が細いこと、毛穴あたりの毛髪本数が少ないこと、頭皮の状態が硬いことが明らかになった。
1.コルチゾールと毛髪の関係
コルチゾールとは、ストレスに反応して分泌されるホルモン(ストレスホルモン)の一種。唾液中のコルチゾール濃度を測定することにより、ストレスの指標とすることができる。マンダムの研究では、30歳代、40歳代の男性24名を対象に、唾液中のコルチゾール濃度と毛髪の関係を調べたところ、コルチゾール濃度が高い人ほど後頭部の毛経が細いことがわかった。
2.ストレスと血清尿酸濃度の関係
唾液中コルチゾールの濃度はストレスの有無(強度)を調べる手法として一般的に用いられているが、1日の内での変動や日による変動が大きく、安定した測定が難しいという課題があった。そこで、簡便にかつ安定的にストレスの指標になるものが無いか、他のストレス指標の検討を行なった。30歳代、40歳代の男性24名を対象に血液中の各種成分濃度を調べたところ、血清尿酸値は、コルチゾールと拮抗した作用をもつホルモンであるDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)の唾液中濃度と負の相関を示すことが明らかになった。血清尿酸値はストレスによって上昇するという過去の研究報告と今回のこの結果から、血清尿酸値は新たなストレス指標として活用できることがわかった。