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2016.11.21

記憶を想起する時の側頭葉の神経回路の動きが明らかに

学校法人 順天堂の発表によれば、順天堂大学大学院医学研究科老人性疾患病態・治療研究センターの竹田真己特任准教授、および東京大学の小谷野賢治研究員を中心とした共同研究グループは、視覚情報を想起する際の大脳情報処理機構を皮質層レベルで解析する方法を開発。側頭葉において皮質層ごとに異なる情報処理を担っていることを初めて明らかにした。この成果は、記憶想起における神経回路の動作原理の一端を明らかにし、脳損傷による記憶障害に対する診断・治療法の確立に貢献すると考えられる。本研究成果はNeuron電子版に10月6日(日本時間10月7日)付で発表された。

記憶を思い出す際の脳の新たな仕組み

大脳は6層の皮質層で構成する神経回路により情報処理を行なうことが知られている。この神経回路の動作原理は初期感覚野などで詳細に調べられており、皮質4層から浅層である2、3層さらに深層である5、6層へ情報が伝達されることで、より複雑な情報処理を行なう標準的神経回路モデルが提唱されてきた。しかし、記憶の情報処理においては、中心的な役割を果たす側頭葉36野は脳の深部に位置しているため、脳の表層に位置する初期感覚野の研究で用いられる記録部位同定法が適用できなかった。

そのため、記憶に関連する側頭葉においても同じように情報の伝達と処理が行なわれているのかどうかは大きな謎だった。そこで、研究グループでは記憶想起における側頭葉の神経回路の動作原理を明らかにするため、側頭葉の記憶関連ニューロンの分布と活動について皮質層レベルで詳細に調べた。

■内容

まず、研究グループはサルに対連合記憶課題(図1)を課し、課題遂行中のサル側頭葉36野のニューロン活動を計測した。この課題では、提示された手がかり図形をもとに、あらかじめ学習した対となる図形(対図形)を思い出すことが要求される。次に、高磁場磁気共鳴画像法(MRI)により記録電極先端位置を画像化し、対応する組織画像上に電極先端位置を再構成する(図2)ことで、計測したニューロンの皮質内位置を各皮質層単位で同定した。この同定法は、各皮質の位置と働きをマッピングできる世界初の方法となる。

解析の結果、皮質浅層(2、3層)のニューロン活動は対図形よりも手がかり図形の情報を処理していることが明らかになった。一方、皮質深層の5層のニューロン活動は手がかり図形と対図形の両方の情報を同程度処理し、6層のニューロン活動は対図形の情報をより処理していた(図3)。また、5層ニューロンは6層ニューロンに比べて、より早いタイミングで情報を処理し始めることがわかった。そこで、皮質深層の情報処理をより詳細に明らかにするために、深層ニューロンのニューロン活動をクラスター解析により調べたところ、6層ニューロンは2つのグループに分類できた。この2つのグループのうち、記憶想起中により対図形の情報を処理するニューロングループは、周囲のニューロン群の協調的活動(局所フィールド電位)と同期して活動していることを明らかにした。

記憶を思い出す際の脳の新たな仕組み

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