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狂信的人気を誇るジャズマン、チェット・ベイカーのクスリと女と限りなく美しい音楽に満ち溢れた生涯

2016.10.26

狂信的人気を誇るジャズ・マン「チェット・ベイカー」のクスリと女と限りなく美しい音楽に満ち溢れた生涯

実在したミュージシャンの「生きざま」を描いた映画は数々あるが、ここまで「ダメ男」っぷりに特化した映画も珍しい。11月に公開される『ブルーに生まれついて』は、伝説的ジャズ・トランペッターでヴォーカリストのチェット・ベイカーの生涯にフォーカスしている。

チェットは1950年代前半に「ウエスト・コースト・ジャズ」で脚光を浴び、権威あるアメリカのジャズ専門誌『ダウンビート』の54年度トランぺッター人気投票ではダントツの第1位に輝いている。同じくジャズ専門誌の『メトロノーム』も同様の結果。ロックよりジャズが主流の時代、全米での人気ぶりは圧巻であった。しかしその実像は、筋金入りのジャンキーで、女好きで、甘ったれで傲慢で、プロデューサーには金をせびりまくるという、どうしようもない男なのだ。帝王マイルスは「金と女のためにジャズをやるヤツは信用しない」と冷たく言い放つ。するとすぐにヘコんでしまう弱い男。そしてますます薬に溺れ、60年代半ばには代金を踏み倒したドラッグの売人にボコボコにされて、トランペッターの命ともいうべき前歯まで折られてしまう。もちろんシーンからは転落。助ける者はひとりもおらず、唯一の味方である恋人までが、世間から冷い視線を浴びせられる……。

映画は栄光の50年代に始まり、紆余曲折を経て70年代に奇跡の復帰を果たす(か?)……というチェットのストーリーが、リアリティをもって描かれる。(ちょっとネタバレだが)普通なら、ヒーローが奇跡の復活を遂げてハッピー・エンドとなりそうなところだが、彼のイメージは最後まで美化されることはない。スターであった最初からラスト・シーンまで、彼の深い孤独と不安に満ちた苦悩の闇がこれでもかと描かれていく。リアルでも映画でも、最初から最後まで「どうしようもない男」なのである。

しかし、どうしてそんなチェットが「伝説のジャズマン」なのか。それはも言うまでもなくチェットの音楽が限りなく美しいからだ。トランペットもヴォーカルも、その唯一無二の個性とそこに込められた深い感情が聴く者すべての心を打つのだ。もちろんドラッグや女グセがそれを作り上げたわけではない。それにも関わらず素晴らしい音楽を生み出した、というところが伝説たる所以なのだ。

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