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アナログブームで注目度急上昇!国内唯一のレコードプレス工場に潜入(2016.09.11)

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■Cutting

レコードの製造工程は、意外と複雑である。電気信号を針の振動に変換して溝を刻む。ここまではシンプルなのだが、カッティングしたラッカーマスターから1枚のマスター盤が作られ、そこからマザーを起こして、さらにスタンパーを作って、これを使ってプレス作業がおこなわれる。やっていることは凹んでいる溝から、凸状の盤を作り、さらに凹んだ盤を作る工程でねずみ算式にスタンパーを増やして量産態勢を整えるのだ。それで最初にカッティングされたラッカー盤はどうなるのかと言えば、1回使ったらあっさり廃棄。保存されるのはメッキされたマザー盤なのだ。そんな儚い命のラッカー盤をどうやって作られるのか。

まず、音源が持ち込まれる。対応しているのは、ハーフインチと1/4インチのアナログテープ、そして3/4インチUマチックとは懐かしい! 現在はほとんどがデジタル音源でCD-RかDATで持ち込まれるという。デジタル音源はD/A変換されてから、RIAAカーブ補正をかけられてカッティングマシンに送り込まれる。マシンは1970年代に作られたもので、「VMS 70 GEORG NEUMANN GMBH」の銘板が貼られていた。つまりドイツの名門ノイマン社の製品である。もちろん生産中止モデルなのでメンテンナンスは東洋化成と古くから協力してくれる会社の手によっておこなわれているという。

東洋化成がプレスしているレコードには7inch(17cm)と12inch(30cm)があり、回転数は33 1/3RPMと45RPMの2種類がある。この組み合わせで収録できる時間が決まる。レコードは線速度一定なので、内周よりも外周の方が音質が良くなる特性があり、最もダイナミックレンジが広くとれるのが12inch45RPMの外周部ということになる。カッティングマシンには溝の間隔を示すメーターがあり、1mmに何本の溝を入れるかを設定できる。例えば10本に設定しても実際カッティングすると音量が大きくなるので溝の幅が広がって本数は減ってくる。実際のカッティングより約1秒早くピッチ信号が来るので、このバリアブルピッチコントロール機能を使って、隣の溝に干渉しない幅に溝を収めていくことが可能になり、ダイナミックレンジの確保と長時間録音の両立が実現したのだ。1時間のレコードをカッティングするには約4時間もかかるという。カッティングされた音溝は顕微鏡によって全てチェックされる。低音成分が多いと溝の幅が広くなり、収録時間は短くなる。このような兼ね合いや収録する曲順をレコード発注者と打ち合わせしながら、カッティング作業は進められていく。

「レコード再発見プロジェクト」で日本唯一のレコードプレス工場を見学!

説明してくれたのはレコーディング・エンジニアの手塚和巳さん。最近の音源はデジタルがほとんどで、こちらのシステムで再生する

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ミキシングコンソールでは、以前さまざまな作業をおこなったが、現在は持ち込まれる時点で音源は加工済みの事が多く、レベル合わせと簡単なEQをおこなう程度だという

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ノイマンのカッティングマシン。右側にあるのがRIAAカーブ補正するためのアンプ

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