
■連載/ヨシムラヒロムの勝手に宣伝部長
時折、「誰が買うんだろう?」と思う商品がある。
この連載の2回目で書いた『麦のソーダ』もそれに該当する。昨年の夏に販売された大麦を使った健康ミネラル炭酸飲料。麦の風味と強い甘味が光る飲み物であった。個人的には「イケる」と思ったが、その意見はマイノリティ。
『麦のソーダ』で検索をかけると、予測変換で「まずい」と出る。しかも、各所からでた「まずい」の意見をまとめたページまで。これほどに嫌われることも多くはない。そういった嫌われもの飲料は、セール棚に追いやられる。『麦のソーダ』も最終的には、19円で売られていた。
セール棚には、結局誰も買わなかった商品が並ぶ。楢山節考(ならやまぶしこう)のように置いている。通常価格の商品はキレイでライトもあたる棚へ。碁盤の目のように並ぶ商品棚はニューヨークのマンハッタンようだ。見やすく買いやすい。
それに比べてセール棚は、隠すように店の隅にある。よく行くスーパーなんて、併設された花屋に棚自体が食い込み、少々埋もれている。落ちた葉をどかしながら見る。例えれば、ジャングルのトレジャーハント。見えづらくて買いづらい。
昨日、セール棚を冷やかし半分にチェックしていると「誰が買うんだろう?」の究極とも云える商品を発見した。
この連載で勝手に宣伝する商品はほとんど安価。読者の方に手にとって欲しいと考えてる。しかし、今回宣伝する『お菓子がおいしくなるソース トマト味』はそれこそトレジャー。置いている店も少なそうだし、アマゾンにすらなかった。
『お菓子がおいしくなるソース トマト味』。セール棚で35円を20円で販売。値下がり率はなんと40%、大盤振る舞い。ま、大量にあったし売り切れば店側としての御の字なのだろう。このソース、説明する必要もないが菓子につけるディップだ。
ソースは単品では存在できないので、つける菓子が必要だ。ジャングルを抜け出しマンハッタンへ、結局6点も菓子を購入し散財。
帰宅し、まずはソースだけを舐めてみた。前代未聞の菓子用ソースのみを売るからには特徴もあるのだろう。ペロリ、意外と本格的な味がする。メキシコ料理で使われるサルサソースに近くスパイシーであった。
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