ひとことで言うと、<色が薄ければ数値は低く、濃ければ高い>。色付きバーチャート見ると、一昔前までの日本のメジャー系ピルスナーはほぼ、EBC4〜8ぐらいだろう。かなり濃いスタウトは日本でも昔から流通していたのでわかりやすいが、EBC70あたり。そして、近年日本で流通し始めた様々なビールは、このグラデーションの階層に微妙な違いで収まっていく。
しかしこの<色の濃さ>は、直接味と相関関係で語れないのがまたビールの深くて面白いところ。ちなみに僕自身の好みも当然、濃い薄いと一元論ではまったく語れない。
でも、こうして、数値化で基準を設けられることはすべて設定していくことで、<味>という深遠で繊細な世界を追求していこうという姿勢が素晴らしい。<やれることはずべてやる><やったほうがいいかやらないほうがいいかといったらやったほうがいいにきまってる>ということだ。
このような設定は<造り手>の必然から生まれていくものだけれど、僕たち<飲み手>も、味に対する自分の感応を高めていくためには、意識していくほうが面白いに決まっている。
おそらく多くの人が初耳であろうこの<EBC>という単位。なんとボトルに表記しているビールがある。それは、ベルギービールのブルワリー「ブラッセルズ・ビアプロジェクト」のもの。
この「ブラッセルズ・ビアプロジェクト」の素晴らしいビールについては、この連載で2度取り上げている。僕自身、言ってしまえばすっかりファン……。
●連載3回目「廃棄されるパンを使った“エコ”なベルギービール」
「バビロン」「ダークシスター」
●連載17回目でも、さらに3種類を紹介
「グロスバルサ」「デルタ」「ソレイユ ルヴァン」
そしてまた新しい限定モノが出たのですかさずインプレッション!色と<EBC>数値もご注目を。……と思ったら「ベルギービールジャパン」ではいったん売り切れていたがまた入るかだろう……。
●「ブラッセルズ・ビアプロジェクト」ベルギーの公式サイト