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2016.07.25

ディーゼルで攻勢をかけるプジョー・シトロエンの狙い

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 先日、プジョー・シトロエン・ジャポンが、同社のクリーンディーゼルエンジン「BlueHDi」の日本導入を発表した。

プジョー・シトロエンのディーゼル大攻勢が始まる プジョー・シトロエンのディーゼル大攻勢が始まる

 六本木のグランドハイアット東京で行なわれたプレス発表会に赴くと、筆者は一枚のパネルの前で足が止まった。

 懐かしい。

 プジョー『504』だ。30年前に、東京で乗っていたのである。それも、2L、4気筒ディーゼルを搭載した『504D』。昔だったから、最新のクリーンディーゼルとは大違いの“ダーティ”ディーゼルである。ガラガラとうるさく、ユサユサ揺れて、煙モクモクで激しく遅かった。

プジョー・シトロエンのディーゼル大攻勢が始まる

 特に、ディーゼル版が欲しかったわけではなくて、日本へはガソリン版の『504』はごく少数の個人輸入されたものなどしかなく、西武自動車は『504D』しか入れていなかった。事情通から、その日本仕様の『504D』は香港のタクシー仕様が元になっているのだと聞いた。香港だから右ハンドルで、コスト削減と耐久性を確保するためにリアサスペンションが固定式だからというのがその理由だ。

 たとえ、香港のタクシー仕様だったとしても『504D』は素晴らしかった。特に、路面からのどんなショックも柔らかく受け止める懐の深いサスペンションが秀逸で、とても快適な乗り心地だった。身体を包み込んでくれるようなシートの優しい掛け心地と併せて、助手席や後席に乗った友人や家族たちはみんな驚き、喜んでいた。

 白金トンネルを広尾から目黒に向かって入っていったところすぐの、路面の右側に段差の大きなマンホールがあって、そこを他のクルマで踏み越えるとドスンッと大きな音がして激しく揺すられるのだが『504D』では、ストッと軽やかにイナすだけ。

 得意なのは長距離で、ルーフキャリアを取り付けてスキーやその頃夢中になっていたウインドサーフィンの往復などで本領を発揮してくれた。運転席と助手席を一番前までスライドさせ、ヘッドレストを外して背もたれを倒すとフルフラット状態になり、後席と繋がって車内に“お座敷”が出現した。

 スキーやウインドサーフィン、キャンプなどに出かけた時に、これは重宝した。垂れ下がって見えるトランクルームも実は容量がたっぷりと確保されていたから、これもアウトドアアクティビティにはもってこいだった。ステーションワゴンやSUVなどではないセダンなのに、実用性がとても高いクルマだった。

 不満点は高速道路の追い越しなどでもどかしくなるほど遅いことと、そうした時に回転数が上がるとルームミラー越しに見えるほど黒い排煙が吐き出されるところだった。プジョー・シトロエンに限らず、近年の各メーカーのクリーンディーゼルは煙や振動、騒音などは皆無になり、30年の技術進化は著しく、隔世の感がある。

プジョー・シトロエンのディーゼル大攻勢が始まる プジョー・シトロエンのディーゼル大攻勢が始まる

プジョー・シトロエンのディーゼル大攻勢が始まる プジョー・シトロエンのディーゼル大攻勢が始まる

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